7月7日、七夕である本日は当然、支倉・島津両家の合同で笹の準備をする。
毎年の光景の中に今年は遺物・・・・もとい異物が一つ、混じっていたりする。
「あら、異物だなんて失礼ね、由乃ちゃん」
「ごきげんよう江利子さま、招いてもいないのに勝手に入ってきてるくせに何を言いやがりますか?」
「気にしないでちょうだい、私は令に誘われただけだから」
「ぬぁぁっ!?令ちゃんっ!!!!」
「ご、ごめん由乃。由乃は菜々ちゃんを呼ぶっていうから、私はお姉さまを呼ぼうかなって・・・・」
だからって私の天敵を呼ぶことないじゃないのよー!
令ちゃんの馬鹿ー!!
「まぁまぁ、落ち着いてくださいお姉さま」
「離しなさい菜々!」
「お姉さまを野放しにするだなんて危険だと思いますけど?」
「くっくっく、いい妹を持ってよかったわね由乃ちゃん」
「むきぃーーー!!」
くあぁぁーーー!むーかーつーくー!!
菜々も菜々よ!
何が、野放しにすると危険、なのよー!
「よ、由乃、落ち着いて・・・・」
「元はと言えば令ちゃんのせいでしょ!!」
「まぁいいじゃない、久しぶりに黄薔薇で集まったんだし」
「それは・・・そうですけど・・・・・」
だから天敵の貴女がいるのが問題なんですってば。
・・・・令ちゃんには後でお仕置きをせねば。
「あの、とりあえず、短冊の方を書いてしまいませんか?」
「そ、そうだね!そうしよう!私短冊をとってくるから・・・・!」
「逃げたわね令ちゃん、後で覚えてなさい・・・・・」
「ほんと相変わらずね貴女達」
「ほっといてください!」
江利子さまはこっちを見てニヤリと笑う。
相変わらずなのはあんたもでしょ!
「それで、二人はなに書くの?」
「私は・・・受験があるので・・・・」
「私も、お姉さまの受験のことですね」
「な、菜々・・・・」
くわぁーー!なんて可愛いこと言うのよあんたはー!
思わずぎゅーっと抱きついてしまった。
「ふーん、由乃ちゃんの無鉄砲が直るようにとかじゃないの?」
「ちょっ、江利子さま!!」
「いえ、それもチラっと思ったんですが、直ってしまうと面白くありませんので」
「なるほど、確かにね」
チラっとでも思ったんかい。
しかもなによ、言うに事欠いて面白くないって!
あんたは江利子さまか!?
「由乃〜、短冊持ってきたよ〜」
「ちぇすとぉーーー!!」
「へぶっ!!?」
「令ちゃんの馬鹿!」
「うぅ・・・いきなりなんで・・・・」
腹いせに思いっきり令ちゃんを蹴り飛ばす。
八つ当たり?
違うわよ。だって元を辿れば令ちゃんのせいだし、うん。
「ご苦労様令、災難だったわね。じゃあ早速書かせてもらおうかしら」
「ですね、はい、お姉さま」
「ん、ありがとう・・・・」
「しくしく・・・皆ひどい・・・・・」
泣いてる令ちゃんをほっといて短冊を書き始める。
私は今年受験だし、リリアンに行くにしろ外へ行くにしろテストを受けることになるだろう。
落ちたりしたら横にいる凸に何を言われるかわかったものじゃない。
神頼みの一つや二つくらいしたくもなるのだ。
「よし、出来た。令ちゃん吊るして」
「うん、上の方でいい?」
「もちろん一番上よ!」
「あはは、わかったわかった」
令ちゃんに吊るしてもらって、一番上で揺れる黄色い短冊。
叶わなかったら許さないわよ、と一睨み。
そうしているうちに皆吊るし終えたらしく、中に入ってお茶にしようってことになった。
「行きますよー、お姉さま」
「あ、ちょっ、待ちなさいよ!」
一人でさっさと行っちゃう菜々を慌てて追いかけようとして、
菜々が吊るした短冊が目の端にとまった。
内容を確認しながら顔がにやけていくのが分かる。
ああまずい、きっと今相当だらしない顔をしてると思う。
『お姉さまともっと一緒にいられますように』だなんて、随分可愛いお願いをしてくれたものだ。
「ふふっ、ありがとうね菜々」
「いえいえ、どういたしまして」
頑張って叶えてあげようじゃないの。
だって私は菜々のお姉さまなんだから。
「あらあら、捨てられる日も近そうね令」
「由乃ぉぉ〜〜〜・・・・・」
背後から情けない声が聞こえるけど黙殺した。
大丈夫よ、令ちゃんは後でちゃんと構ってあげるんだから、ね?
...Fin
あとがき(言い訳)だいぶ過ぎちゃったけど七夕SS。
今年は黄薔薇オンリーで仕上げました♪
いや、このはさんに黄薔薇分が最近足りないの!とリクエストをいただいておりましたし(笑)
そんな訳でこちらの作品もこのはさんに捧げますー♪
返品もゴミ箱ももちろん不可ですのでよろしゅうに(ニヤリ)
2007/7/19著
→マリみてSSTOPへ