shall we dance?


 
 
 
 
 
 
 
「一 二 三、二 二 三・・・・うわっ、ととっ」
 
 
 
 
必死に足元を見ながらステップを繰り返すも、もつれて転びそうになる。
単純といえば単純なんだけど、見るのとやるのは大違いだ。
それでも、やらないわけにはいかない。
ただでさえ出遅れているのだ、こうして特訓でもしなければ追いつけやしない。
 
 
 
 
「っていうか、それ以前に人様にお見せできるくらいにはならないと・・・・・・」
 
 
 
 
恥は恥でも、恥ずかしいとかより大恥や赤っ恥になりかねない。
全校生徒、ひいては来客の皆様にそんなところを見られたくは無い。
 
 
 
 
「祥子さまだったら、これぐらいあっという間にこなしちゃうんだろうな〜・・・・・」
 
 
 
 
紅薔薇の蕾、小笠原祥子さま。
祐巳が必死にダンスの練習をするこの状況を含め、最近の騒動全ての原因をお作りなった方。
お近づきになれたのは嬉しいけれど、嬉しいばかりでも無いので少々複雑です。
目下、ステップや台本と格闘中ですので。
 
 
 
 
「あら?祐巳ちゃん?」
「はぇ?・・・紅薔薇さま?」
「何してるのこんなところで?」
 
 
 
 
声をかけてきたのは紅薔薇さまの水野蓉子さま。
かの小笠原祥子さまのお姉さまにして山百合会の実質的トップ。
いつも通り背後に薔薇が見えるくらい麗しい。
 
 
 
 
「あ〜、いえ、ちょっとダンスの練習をですね・・・・」
「あぁ、そうね、途中参加の祐巳ちゃんにはちょっとハンデがあるものね」
 
 
 
 
いえ、ちょっとどころではない気がするんですけども・・・・・
 
 
 
 
「そういう紅薔薇さまはどうしてここに?」
 
 
 
 
ここ、つまり講堂裏。
用がないとあまり立ち寄らないので、結構穴場だったりする。
って、いうのは志摩子さんに教えてもらったんだけど。
 
 
 
 
「その子についてきたのよ」
「その子?」
「にゃー」
「あ、ランチ?」
「そしたら祐巳ちゃんが表情変えながら何かしてるんですもの、驚いちゃったわ」
 
 
 
 
すいませんダンスに見えなくて。
恥ずかしいやら情けないやらで、心の中でひっそりと涙を流す。
でもそんなことお構いなしなランチはもう一声鳴くと茂みの中に入っていった。
 
 
 
 
「ふむ、せっかくだし少しお相手しましょうか?」
「へ?うわっ、ちょ、ちょっと紅薔薇さまっ!?」
「よそ見しないで集中する。一 二 三、二 二 三・・・・」
「え、わ、あぅっ」
「ほらほら、そんなことじゃシンデレラは務まらないわよ?」
「姉Bですってば〜・・・・」
 
 
 
 
役得やら恐れおおいなんて言葉が身体と一緒にぐるぐる回る。
結局、終始圧倒されっぱなしだったけど、なんだか楽しいなって思った。
そんなある日の昼下がり。
 
 


 


...FIN


あとがき(言い訳)

このはさんに頂いた萌え萌えな二人のイラストに、煩悩全開になったキッドです、ごきげんよう♪
いや、だってなるでしょう!あんな素敵なイラストを頂いちゃったら!!(喜)
念願のTOP絵にして初の頂き物ですよ〜♪
あ、GIFT部屋も作んなきゃ(・・;)
まぁその辺は後々作業するとして、本日の作品は素敵なイラストをご提供くださったこのはさんに捧げます。
返品&ゴミ箱不可でお願いしやす(笑)

2007/7/15著


→マリみてSSTOPへ

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