暑いけど






 
 
 
 
「暑いなぁ……」
「夏やしな」
「汗かくし……」
「夏やしな」
「室内なのにな」
「夏やしな」
 
 
 
 
じりじりと太陽が照りつける七月。
まだ七月なのに!と思わなくもないが暑いものはどうにもならない。
せめて夏服でよかったと言うべきか。
 
 
 
 
「五月に暑かった時もまいったけどな」
「長袖であの暑さはつらいわ」
「半袖でこの暑さもきつけどな」
「そんなこと言うても、これからまだ暑くなるわきっと」
「……あかん、私病弱やし……」
「私がいないとこで倒れたらあかんよー?」
「善処するわ……」
 
 
 
 
まだまだ気温の上昇が予想される中、うっかり外で倒れたら文字通り干からびそうだ。
健康な人でも危険なのに怜の場合はなおさらである。
 
 
 
 
「どうせならクーラーの設定温度も下げたいなぁ……」
「そやなぁ……でも今年の夏は節電やしな」
「ん……まぁしゃあないな……」
 
 
 
「……なぁ」
 
 
 
「ん?」
「何、セーラ?」
 
 
 
「暑いなら離れたらええだけやないの?」
 
 
 
「……なんで?」
「必要ないやん」
 
 
 
 
ひしっと足にひっついた怜を、はがさへんて〜と宥める竜華。
熱気程度では膝枕はびくともしないらしい。
 
 
 
 
「……さよか……」
 
 
 
 
見てるこっちが暑苦しいんじゃあほぉーっ!……とは結局言えないセーラだった。

そんな暑い暑い夏の一日。


...Fin


あとがき(言い訳)

あまりに暑かったんで30分ばかしで殴り書きました。
つらいわー、この暑さ(汗)
でも怜竜ならナチュラルにスルーして膝枕してるに違いない。

2012/7/5著


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