倒される?
 


 
 
 
 
「黄薔薇は関係が複雑ですよね・・・・」
「ん、そう?あれは天敵、もしくは月とスッポンと書いておばあちゃんと孫と読むのよ♪」
 
 
 
 
・・・・身も蓋もないです紅薔薇さま。
ハブとマングースみたいなもんですか?月とスッポンは訳分からないけど。
 
 
 
 
「天敵、は分かりますけど、月とスッポンは使い方が間違っているんじゃ・・・・」
「あら、そんなことないわよ?だってスッポンは月にこがれるものでしょう?」
 
 
 
 
えっと、切っても切れない関係だからって事ですか・・・?
あれ?でもなんか違うような・・・・・
っていうか、月とスッポンの解釈ってそんなんでしたっけ?
 
 
 
 
「興味も関心も無いような相手には、衝突したり執着なんかしないものでしょう?」
「はぁ、そうですか・・・・あの、どっちが月でどっちがスッポンですか?」
「さぁ?どっちがどっちかしらね?あるいは」
「どっちもか?」
「そうね」
 
 
 
 
分かるような気もするけど・・・・
 
 
 
 
「まぁ、私はからかい倒すより『押し倒す』方がいいけどね♪」
「・・・・は?」
 
 
 
 
今、なにか不穏な単語が・・・・・・
 
 
 
 
(ガチャ)
 
 
 
 
「ごきげんようお姉さま、祐巳」
「ごきげんよう祥子」
「ごごご、ごきげんようお姉さま!」
 
 
 
 
あ、あり得ない!そう、幻聴よ、幻聴だったのよ祐巳!
・・・・・でも聞き返して見たい気もす「なにかあったの祐巳?」
「ひゃうっ!!?な何がですか」
「何時にも増して顔が忙しいけど・・・・・」
 
 
 
 
がーん! 
 
 
 
 か、顔が忙しいって・・・・分かってるけどショック・・・・ぐすん
 
 
 
 
「あら、そこが可愛いんじゃない(心配してるんだろうけど伝わってないわね)」
「それはそうですが・・・・」
「だめよ?『私の』孫をいじめちゃ♪」
 
 
 
 
蓉子さまがそうフォローをいれてくださっ・・・て、抱きよせられたー!?!
 
 
 
 
「(ピク)祐巳は『私の』妹ですわお姉さま!!」
 
 
 
 

(訳・だめよ?可愛いい『私の祐巳ちゃん』をいじめちゃ♪(ニッコリ))
(訳・お姉さまこそ、『私の祐巳』に手を出さないでください!(怒))
 
 
 
 
水面下・・・・どころか、
のちに激しいバトルが公然と行われるようになるのだが・・・・
この時の私は、ただ蓉子さまの胸で硬直することしかできないのであった。
 
 
 
 
 
 
<そして現在>
 
 
 
「・・・つまり、孫は代々構われる宿命にあるということですね」
「まぁ、平たく言えばそうなるんだけどね〜」
「・・・・はぁぁ〜」
 
 
 
 
目の前で深々とため息をついたのは乃梨子ちゃん。
聖さまと一悶着あったらしく、先程から軽くご機嫌斜め。
 
 
 
 
「大丈夫だよ乃梨子ちゃん」
 
 
 
 
ぽむぽむ、と頭を撫でながらしゃべる。
あ、乃梨子ちゃん赤くなった、可愛い♪
 
 
 
 
「あの、大丈夫ってなにがですか・・・」
「ん、黄と白は構い倒されるだけだからよ♪」
 
 
 
 
なんて、由乃さんに聞かれたら友情の危機かもしれないセリフだけど。
 
 
 
 
「大丈夫って言うんですか、それ」
 
 
 
 
もっともな疑問を口にする乃梨子ちゃん。
でもね・・・・
 
 
 
 
「大丈夫だよ。だって、『押し倒される』わけじゃないんだから・・・・」
「押し倒・・・・って、ちょっ、祐巳さま!?」
 
 
 
 
あの時はほんとーに、平和だった。
構われるうちは何も心配はないんだよ、乃梨子ちゃん。
問題なのはその後がある場合だから・・・・
 
 
 
 
「ゆ、祐巳さま!?しっかりしてください祐巳さまっ!!」
 
 
 
 
走馬灯のように、思い起こされる記憶の数々。
そして過ぎ去りし日々も恐ろしいが、待ち受ける日々もまた恐ろしい。
 
 
 
 
「戻ってきてください祐巳さま!!」
 
 
 
 
マリア様、私、何か悪いことしましたか?
 
 
 







 


 
部屋の中の光景は珍しいものでした。
・・・・いえ、光景自体は珍しくはないのだけれど、
自分の妹がいるケースは初めてかもしれない。
 
 
 
 
「しっかりしてください祐巳さま!!」
 
 
 
 
乃梨子が必死に祐巳さんを呼び戻そうとしている。
どうせまた、なにかの拍子に向こうの世界へ行ってしまったのだろうが、後で事の子細を聞く必要がありそうだ。
 
 
 
 
それから・・・・
 
 
 
 
「抱きつかれるくらい、たいしたことじゃないのは分かりましたから、戻ってきてください祐巳さま!!」
 
 
 
 
・・・・後で締め上げる必要がありそうですねお姉さま。
 
 
 
 
 
後日、
美しく澄んだ青空に似つかわしくない、
誰かさんの悲鳴が響き渡っていたのはまた別のお話・・・・
 
 
 
 


.....fin
 



                                          
あとがき(言い訳)
 
皆様ごきげんよ〜♪そして毎度のことながら聖さまファンの皆様ごめんなさい(汗)
相変わらず聖さまはオチ担当です(苦笑)あ、ちゃんと聖さまが報われるSSも
聖祐推奨サイトに寄贈させていただいてますので、お許しください(^^;)

さてさて、今回のお話は「おばあちゃんと孫」がお題です。
ですので紅白黄それぞれの関係についてちょこっと触れてみました。
倒される?というタイトルで勘のいい方は、押し倒すに辿りつきそうですが(笑)
原作でも基本的に白と黄は構い倒すって感じなんで(原作の白は接触が少な目ですが)
じゃぁ紅は・・・押し倒す?(笑)に発展したわけです。
当の祐巳ちゃんは大変だと思いますが、頑張って押し倒されて(笑)いただきましょう♪
それではこれにて、ごきげんよ〜(キ^^)ノ


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