乾杯しましょう

 
 
 
 
 
「蓉子さま、できました!!」
「どれどれ・・・・上出来、頑張ったわね祐巳ちゃん」
「えへへ・・・」
 
 
 
 
暖冬どころか大寒波が押し寄せた12月のある日、水野宅ではささやかなお祝いの準備が進んでおりました。
 
 
 
 
「あれからもう一年か・・・・早いものね」
「ええ、本当に・・・・すごく早かった気がします」
「あら、でも知ってる?一年が早く感じるのは、脳が老化してるからなんですって」
「もう、またそんなこと言って。すごく楽しくて、幸せだったからこんなに早く感じるんですよ」
「むくれないむくれない。大丈夫よ、幸せだったからだって、私もちゃんと思えるから」
 
 
 
 
クリスマスじゃないのかって?
いえいえ、二人にとってはもっと大事な日なんです。
なんといっても今日は・・・・・
 
 
 
 
「私達が付き合い始めてから、ちょうど一年だものね」
「はい・・・・忘れられない、大切な日です」
 
 
 
 
そう、今日はあの日から、
二人の新しい関係がスタートしてからちょうど一年が経つのです。
忙しなく過ぎ去った一年は走馬灯のように思い起こされ・・・・・
 
 
 
 
「色々ありましたね・・・・・・」
「ええ、本当に色々あったわね・・・・・・」
 
 
 
 
妨害とか妨害とか妨害とか。
 
 
 
 
・・・・・そりゃもう沢山。
 
 
 
 
「蓉子さま、私、頭痛がしてきました・・・・・」
「私もよ、祐巳ちゃん・・・・・」
 
 
 
 
忘れなさい。記念日なんだから。
 
 
 
 
「今日はなんにもないですよね・・・・・」
「そう願いたいわね・・・・・」
 
 
 
 
一方その頃、渦中の方々は・・・・・
 
 
 
 
「あぁっ!この先に祐巳がいるのに・・・・!」
「くぅっ!?す、進めない・・・・!?」
「陰謀よ!作者の陰謀だわ!!」
 
 
 
 
失礼な、策略と呼んでくれ。
 
 
 
 
「変わりゃしないわよ!」
「れ、令ちゃん、私、もうだめ・・・(バタ)」
「よ、由乃ぉぉー!!?」
 
 
 
 
以上、中継終わり。
 
 
 
 
「「「「「終わらすなぁぁー・・・!!」」」」」
 
 
 
 
こちら現場からでしたぁ、スタジオの福沢さーん?
 
 
 
 
「はぁ〜い、こちらスタジオのぉ・・・・・って、なにやらせるんですか」
「祐巳ちゃん、どうしたの急に?」
「いえ、ちょっと妙な電波を受信しただけですので、お気になさらず」
「そ、そう・・・・・」
「それより蓉子さま、ケーキの方は?」
 
 
 
 
ぐっじょぶ祐巳ちゃん、その切り替えの速さが素敵だ。
 
 
 
 
「え、あぁ、順調よ。デコレーションもすんだし、期待しててちょうだい」
「えへへ、楽しみです♪」
 
 
 
 
ケーキは蓉子さまの力作!(のはず)
土台からチャレンジするあたりが素晴らしい。
 
 
 
 
「じゃあ、後は"アレ"を用意するだけですね」
「"アレ"ね」
「えぇ、"アレ"です」
 
 
 
 
"アレ"とはいったいなんなのか?
皆さんもうお解りですよね?
"アレ"って"アレ"なんです。
それは・・・・・・
 
 
 
 
「じゃじゃーん!ホットミルクinいちご牛乳ぅ〜♪」
「そう!これこそ私と祐巳ちゃんには欠かせない(原作では)飲み物よね!・・・でもどこぞの鑑定大会のノリに聞こえたんだけど?」
 
 
 
 
気にしたら負けです、蓉子さま。
 
 
 
 
「なにに負けるのかよく分からないけど、まぁいいわ。それじゃ、乾杯しましょう♪」
「はい、蓉子さま♪」
「えー、それでは、二人の一周年を祝して」
「そしてこれからの二人の一年に・・・・・」
 
 
 
 
「「乾杯」」
 
 
 
チン♪
 
 
 
 
「祐巳ちゃん」
「はい」
「とても良い一年だったわ、貴女のおかげよ」
「そんな、私の方こそ、蓉子さまがいてくださったから、あんなに幸せな一年をすごせたんです」
「ふふ、ありがとう祐巳ちゃん、これからもよろしくね?」
「はい、蓉子さま!」
 
 
 
 
過ぎてしまえばあっと言う間、でもその時々は一生懸命で・・・・・・
ちょっとずつちょっとずつ、思い出が積み重なっていく。
来年も再来年も、その先もずっと、こうやってお祝いをしよう。
今までの私たちにありがとうを、そしてこれからの二人によろしくね、と言うために・・・・・
でもとりあえず、当面の目標は・・・・・
 
 
 
 
「味の改良、しなくちゃね・・・・・」
「はい・・・最優先事項ですね・・・・・・」
 
 
 


 あとがき(言い訳)
 
ごきげんよう皆様、七夕4本目よりこっちのSSのUPの方が早かったです(苦笑)
4本目は一部予定変更やなんかがあったりして、ちょっと遅れてます。
あー、そういや書きかけのSSばっかたまってるな、ほんと。
あれだよね、一気に数本UPとか一度やってみたいよね。
・・・・更新亀だから無理っぽいけど(--;)
えー、まぁ今回のお話はお題のひとつ、ホット苺ミルクです。
アレの一言で気づく人は気づくでしょうね、お題SSなんだし。
でも味の改良はなされてないんで、微妙なお味には違いなかったり(苦笑)
ちなみに、最優先事項という言葉に聞き覚えがある方、
私がこの言葉をどこから持ってきたのか、わかるかもしれませんね(笑)

え?祥子さま達に仕掛けた私の策略がなにかって?
いや、たいしたことじゃありませんよ。
ラブラブの二人が書きたいのに、性懲りも無く邪魔しにくるんで、
銀杏うぉーるを設置・・・・まぁ、ようするに銀杏を山積みにしておいただけです。
きっとラブラブが一段落したころに志摩子さんが回収し終わることでしょう♪

ではでは、次回作でまた♪ごきげんよ〜(キ^^)ノ


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