充電中

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

カチカチカチ……
カチ……
……カカカカカッ
 
 
 
 
コンソールを叩く音が部屋に響く。
既に娘が眠りについた室内は雑音もなく、私となのはの気配しか部屋にはない。
いつもなら二人で僅かばかりの穏やかな時を過ごせる時間なのだけど……
 
 
 
 
ピ……カカカッ
カッ……カカカカカッ!
 
 
 
 
……若干、どころかかなり苛立たしげに叩かれるコンソールにそんな穏やかさは望めそうにない。
 
 
 
 
「うー……」
 
 
 
 
そもそもなのはは普段この時間に仕事は持ち込まない。
だとするなら急ぎの案件か、それとも教導内容の調整か。
前者であるならパジャマではしなそうだから後者だろうか?
唸りながらべしべしとコンソールを叩いているところを見るにまだもうしばらくかかりそうだ。
 
 
 
 
「うー、あー……フェイトちゃん!」
「ふぁいっ!?」
 
 
 
 
なんて思いつつなのはをぼーっと見つめていたら顔を上げたなのははくわっと一声、私を呼んだ。
 
 
 
 
「な、何かな……?」
「ここ、座って」
「へ、座るって……わっ!?」
 
 
 
 
じっと見ているのは邪魔だっただろうか、と思ったけれどどうやらなのはは怒っているわけではないらしい。
ぽんぽんと自分の隣のソファを叩いて私に着席を促してくる。
なのはに言われるままその隣に私が腰を下ろすとなのはは――
 
 
 
 
「よいしょっと……」
「ちょっ――!?」
 
 
 
 
私の膝にのっかってぺたっと身を寄せてきた。
密着する身体。
薄い布越しにその柔らかさとか温度とかが鮮明に感じられる。
……って、いやいやいや!?
 
 
 
 
「な、なのは!?」
「うー、フェイトちゃーん、フェイトちゃんだぁー……はふぅ……」
「わ、わ、わっ……」
 
 
 
 
うにゃ〜、っと私にくっつきすりすりぺたぺた。
ただでさえ密着度合いに悲鳴を上げていた理性がぎしりと軋む。
誘ってる、よね……?
ちらっと後ろを確認する。
ベッドですやすやと眠る可愛い娘。
起きてくる気配はなし。
よし乗った。
 
 
 
 
「なのは……」
「フェイトちゃん…………んー……よし、充電完了!」
「久しぶりにソファでっていうのも…………え?」
「よぉーし、後少しだし頑張らなきゃ」
「え……え?」
 
 
 
 
やるぞー、と気合いの入った表情で再びなのははコンソールに向き直る。
私の上に乗ったまま。
……あれ、お、お誘い……じゃない……?
 
 
 
 
「……なのは」
「ふぇ? ……どうしたのフェイトちゃん?」
「…………」
「わっ、ふぇ、フェイトちゃん?」
 
 
 
 
なぁに、と首を傾げるなのはに私のムラムラが空振りだったことを知る。
ふ、ふふふふ……でもだからってこのまま引き下がったりなんてしないんだ。
私はぎゅむっと膝の上のなのはを抱き締めた。
 
 
 
 
「なのは、それ、終わったら今度は私の充電ね?」
「へ……?」
 
 
 
 
私だって充電、しちゃうんだから。
慌て始めるなのはににっこり笑ってその肩口に顔を埋める。
――今夜は少し長い夜になりそうだ。
くつくつと喉の奥で笑うとぎゅっとなのはを抱き締めた。



...Fin


あとがき(言い訳)

お膝の上でうにゃうにゃするなのはさん萌え!
……あどうもこんにちはキッドです。日常イチャイチャいいよね、うんw
というそんなぐだぐだしたお話でしたw

2012/4/23


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