それでもママ達はカッコいい














こんにちは、高町ヴィヴィオです。
ザンクトヒルデ魔法学院の初等科五年生になりました!
学校と大好きなストライクアーツに毎日一生懸命、去年のインターミドルを上回る成績を残せるように頑張ってます。

そんな私には大好きなママがいます。
なのはママは時空管理局の空戦魔導師で教導官をしています。
新人さん達の訓練や色んな演習が中心で、でも時には最前線で戦ったりとすごく頼りにされている魔導師です。
私を引き取る前はもっと無茶な現場にもたくさん出たりしてたみたいだから、今は全然へっちゃらだよーなんて言ってるんだけどね。
私はそんななのはママと二人暮らし。

でも実は私にはもう一人ママがいて、フェイトママが帰ってきている時は実質三人暮らしだったりします。
フェイトママはなのはママと同じく時空管理局にお勤めしていて、執務官という仕事をしています。
同じ公務員だけど、フェイトママは『海』……次元間航行に出ちゃうことが多くて長い時は半年以上帰ってきません。
最近はやっぱりそこまで長い航行には出ていないみたいだけど、出張や執務官としてのお仕事が多くて忙しそうにしています。
でも帰ってくると必ずうちに来てくれて、私と遊んでくれたり魔法の訓練に付き合ってくれたりします。

……あとね、フェイトママが帰ってくるとなのはママが凄く嬉しそうなんです。
もちろんフェイトママも。
当然私も嬉しいから、本当は一緒にいられればなんでもいいやって気もしちゃったり。
とにかくそんな訳で、私の大好きなママ達はとてもカッコよくて美人さんだったりするんです。
 
 
 
 
「だから、そうじゃないって言ってるでしょ!」
「それは私の台詞だよ!」
 
 
 
 
美人で……
 
 
 
 
「どうして自分の間違いを認めないのフェイトちゃん!」
「なのはこそ全然私の話を聞いてくれないじゃないか!」
 
 
 
 
カッコいい……
 
 
 
 
「間違ってるのはフェイトちゃんだよ!」
「絶対になのはの方だよ!」
 
 
 
 
……うーん……
……今日は長いなぁ……
 
 
 
 
「……どないしたん、これ……?」
「喧嘩です」
「いや、そりゃ見りゃ分かるわ……」
「あ、違った、痴話げんかです」
「……いや、そうやなくてな……」
 
 
 
 
侃々諤々、自らの主張が正しいと信じて疑わないなのはママとフェイトママの言い争い、もとい痴話げんか。
日常茶飯事、とまではいかないけど割と良くあることなので私これと言って気にしてないんだけど、他の人からすると違うらしい。
あれ、でもはやてさんもこれくらいは見なれてると思うんだけど違うのかな?
 
 
 
 
「あー……昔はあれやったけど最近は二人とも立場があるからなぁ……」
「なるほど……」
 
 
 
 
言われてみれば確かにはやてさんがママ達と一緒にいるのは基本的に管理局内や仕事でということの方が多い。
さすがに相応の立場にある身で大々的に外で喧嘩したりはしないらしい。
 
 
 
 
「……まぁそんかし、たまーに、訓練場が半壊したりするんやけどな……」
「……すみません」
「いや、最近は結界の技術者達が燃えとるわ……」
「えーと……」
 
 
 
 
それはいいんだろうか悪いのだろうか?
ママ達の火力に耐えられる訓練場を、ということなのだろうけど、間違いなく技術者泣かせだと思う。
……なのはママのブレイカーとか、結界破壊能力つきだったはずだし。
受け止めるとか死亡フラグだから、易々とはフェイトママも打たせてはいないみたいだけれど。
 
 
 
 
「……で、ほんで今日は何が原因なん?」
「見たまんま、いえ、聞いたままです」
「だから!」
「言ってるじゃないか!」
 
 
 
 
さぁどうぞ、はやてさんを招き入れた先でなおも続く痴話げんか。
 
 
 
 
「フェイトちゃんの方が可愛いって!!」
「なのはの方が可愛いって!!」
「……」
「……まぁそんな感じです」
 
 
 
 
キーッ! ……と、互いに気勢を上げながらいかに相手が可愛いかと主張し合うなのはママとフェイトママ。
激しくどうでもいい。
だってママ達のどっちが可愛いかなんて甲乙つくわけがないんだから。
 
 
 
 
「……さりげに親自慢やな」
「自慢の両親なので」
 
 
 
 
えへん、と胸を張るとはやてさんがしゃーないなーと苦笑しながらも頭を撫でてくれた。
とまぁそんな感じで、ママ達が揃っている日の高町家はある意味でとても平和だったりする。
 
 
 
 
『Master』
『sir』
「「!?」」
 
 
 
 
だけど。
 
 
 
 
「はい、高町です!」
「ハラオウンです、事件ですか!?」
 
 
 
 
二人ともお仕事に一生懸命で。
それは自分達や私みたいに、誰かが悲しい想いをしないように、皆を守りたいと思っているからで。
 
 
 
 
「分かりました!」
「すぐ向かいます!」
 
 
 
 
休日だってこうして事件があれば飛んでいっちゃう。
 
 
 
 
「ごめんねヴィヴィオ、はやてちゃん」
「私達出掛けてくるから」
「おー、任しとき〜」
「私は商業地区なんだけどフェイトちゃんは?」
「私は空港地区。途中まで乗せてくよ、なのは」
「ありがとうフェイトちゃん」
 
 
 
 
普段はしょうもないことですぐ喧嘩するし、フェイトママなんて私となのはママにでれでれだけど。
 
 
 
 
「ママ」
「なぁに?」
「ん?」
 
 
 
 
それでも。
 
 
 
 
「……頑張ってねなのはママ、フェイトママ!」
「うん!」
「もちろん!」
 
 
 
 
私のママ達は、カッコいい。



 
 

...Fin

 
 


あとがき(言い訳)


例によってイベント直前に新刊より抜粋したSSの更新をしているキッドです、ごきげんよーw
ギリギリのすーぱー泥縄、それがキッドくぉりてぃー!!
……ただのぐーたらですねすみません(汗)
ちょっと身内におめでたと不幸があったり仕事忙しかったりでHP類は休止状態でした(^^;)
でもでも5/26のGLフェスには新刊もって参戦しますよー!
虎の穴さんで通販も始まってますのでよろしくですよー(>▽<*)

2013/5//25


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