ふぁんくらぶ














「はい、じゃあ今日はここまで」
 
 
 
 
お疲れさまでした、という声にお疲れ様ちゃんと身体休めてね、となのはは声をかけた。
本局にある訓練場の一室、今まさに訓練を終えたなのはの表情は明るい。
無事に訓練を終えたことと、必死に訓練についてきた魔導師隊の頑張りによるものだ。
 
 
 
 
「今日の訓練、凄くよかったよ。明日も頑張ろうね」
 
 
 
 
そう言って隊員達に微笑むなのは。
この笑顔だけでその日一日の訓練が報われる、とか、笑顔一つでご飯三杯は食べれます、
とかは高町なのはファンクラブ会員の談である。
もちろん、会員でない者のが訓練後に撃墜されるケースも多いのだけど。
 
 
 
 
「それじゃあ……」
「なのは」
「あ、フェイトちゃん」
 
 
 
 
そこへ現れたのは海のエース、次元航行部隊所属の執務官、フェイトだった。
報告書の提出帰りなのだろう、通路の向こうから見つけたなのはの傍に来るとお疲れ様、と微笑んだ。
人種の違いもあり、なのはとはまた別の雰囲気を醸し出すフェイト。
美形、という言葉が管理局内で最も似合うとされる人間の一人であり、その人気はなのはとはまた違う方向で高い。
 
 
 
 
「今日はもうあがり?」
「フェイトちゃんも?」
「うん、だからよかったら一緒に帰ろうかと思って」
「ほんと? ありがとうフェイトちゃん♪」
 
 
 
 
喜ぶなのはにフェイトもまた笑顔で返す。
貴女のためならたとえ火の中水の中、とか、俺の嫁(にしたい)とかが後を絶たないのは、
フェイト・T・Hファンクラブの人数が減らない限り仕方のないことだろう。
目下、どちらのファンクラブ会員も増えることはあれ減ることはない現状に、
フェイトちゃん(なのは)は人気があるからなぁ……とお互いがひっそり溜息をつくことも慣れっこだ。
 
 
 
 
「じゃあ皆、お疲れ様、また明日」
 
 
 
 
けれど、二人は知らない。
軽く手を振ってから寄り添って訓練場を後にする二人には熱い視線が注がれていた。
その視線の主達、なのフェイファンクラブとフェイなのファンクラブなるものが存在していることを。
 
 
 
 
「ふ、なのはちゃんもフェイトちゃんも罪作りやな」
「なのフェイとフェイなのって、分ける必要あるですか?」
「ちっちっち、ええかリイン、リバありは前提やけどな基本的な攻め受けがどっちかは大きな萌えポイントなんや」
「……もえ?」
「それより見てみい、二人のツーショット写真で諭吉さんがいっぱいや、うっはっはー♪」
「……後でなのはさん達に怒られてもリインは知らないですぅ……」
 
 
 
 
 ◇ 後日
 
 
 
 
「えーと、あの、なのは……さん?」
「にゃはは、はやてちゃんと模擬戦やるのも久しぶりだね♪」
「そ、そうです、ね……」
「やだなー、なんではやてちゃん敬語なのもぉ♪」
 
 
 
 
A.魔王様がいるからです。
 
 
 
 
「そうだよはやて、久しぶりなんだから楽しまないと」
「いや、その、フェイ……」
「私も最近捜査中心だったから、身体動かすの楽しみなんだから♪」
 
 
 
 
死神様もいらっしゃいました。
 
 
 
 
「ヴぃ、ヴィヴィオたすけっ……!!」
「頑張ってくださいねーはやてさーん♪」
 
 
 
 
そして送られる無邪気な(無慈悲な?)声援。
 
 
 
 
「……だから知らないって言ったんです……」
「あ、あかん、しぬ……か、堪忍なのはちゃん! あれはちょお出来心で……!!」
「さぁて、じゃあ始めるよ〜♪」
「まっ……」
「あはは、手加減しないよはやて♪ 殺る気満々だからね♪」
「ヤる気違いっ!?」
「それじゃいくよ〜……全力、全開っ!!」
「せんといてぇぇぇっ!?」
 
 
 
 
……なんてことが訓練室の一室であったとかなかったとか。
今日も管理局、とりわけエリート捜査官八神はやてのまわりは概ね平和である。
 
 
 
 
「訓練室の修理費ははやてちゃんのお給料から引いとくですよぉ〜……」



 
 

...Fin

 
 


あとがき(言い訳)

なんとなく書き始めたらなんとなく形になりました(ぇ)
とりあえずはやて師匠は自業自得っと(笑)
実入りはでかくてもばれた時が怖いってゆーね♪
まぁほら、二人のファンクラブくらいありそうな気がするんだ。
そんでもって二人一緒のファンクラブくらいもありそうな気がするんだ。
……だって現実にまんま私らがいるじゃないwwww

2010/10/21


リリカルなのはSS館へ戻る

inserted by FC2 system