ママ達はすごく仲良しです。
私が初めて会った時からずっとそう。
むしろよそよそしい時はケンカした後か、いっそ病気なんじゃないかと思う時くらいしかない。
「フェイトちゃん気持ちいい?」
「うん、重くないなのは?」
「全然平気だよフェイトちゃん、頭乗せてるだけじゃない」
「そうだけど……私ばかりいい思いをしてる気がして……」
「もぉー、フェイトちゃんはほんとに心配性なんだから」
だからこんな風にリビングでいちゃいちゃしてたって、全然問題ない。
とても真っ当な反応だ。
仲良きことは美しきかな、だっけ?
「ただいまー」
「あ、おかえりヴィヴィオ」
「おかえりー」
「あのねー、今日リオとコロナが……」
「……って、ダメだよ!」
「きゃっ!? ふぇ、フェイトちゃん?」
「フェイトママ?」
二人がくっついていることには一切触れず、私はリビングへと顔を出す。
鞄をおいて、コートを脱ぎながら今日の話をしようとする私を、突然フェイトママが遮った。
がばっ! と、なのはママの膝から身を起こしたフェイトママに、何事かと私もなのはママも驚きを隠せない。
そんな私達の視線に怯む様子も無く、フェイトママは少し赤い顔で言い切った。
「む、娘が帰ってきたのにこんな体勢でいたらダメだよ!」
「……」
「……」
……何を今さら。
「え、あの、なのは? ヴィヴィオ?」
「あ、おやつ食べていいなのはママ?」
「いいよー、レンジの中に入れてあるから」
思いっきり肩透かしをくらった私となのはママは、揃って大きなため息をついた。
その理由には気付かず首をかしげるフェイトママをそのままに、私は自分のおやつをレンジから取り出した。
それにしてもフェイトママが自分からあんなことを言うなんて……珍しい。
ということは、きっと今日のフェイトママは、なのはママ分が十分に足りてるんだと思う。
や、だって足りてない時はなのはママに怒られたって離れないし、視線がなのはママから外れたりなんか絶対しないもん。
……あぁそういえば、今日は二人とも午後からお休みだったっけ。
お昼過ぎからこの状況だったわけだ、うん。
「や、あの、だからね二人とも……」
「じゃあ私宿題するねー」
「夕飯までには終わらせちゃうんだよ?」
「分かってるー」
「えと、だから……」
「はいはい、次は左耳ねフェイトちゃん」
「な、なの……あぅ」
なおも言いつのろうとしたフェイトママ。
抵抗空しく、あっさりなのはママの膝の上に戻されて大人しくなってしまった。
耳掻きの途中で起き上がっちゃダメだよフェイトママ、危ないじゃない。
「うぅ……つ、次は私がなのはにするもん……」
「にゃはは、じゃあお願いねフェイトちゃん」
「うん」
結局なのはママに勝てないフェイトママ。
親には威厳っていうものが……なんて一生懸命語ってくれた姿が遠くかすんで見える。
……まぁそんなこんなで、我が家は今日も平和です♪
...Fin
あとがき(言い訳) どもー、絶賛こげパン中のキッドです、ごきげんよー♪
……そろそろ死語ですかねー、こげパン(苦笑)
キッドはいつでもどこでもブームがリリカルでマジカルなので、
世間様の流行の波にはまったくついていけません。
なのフェイと過ごす一年は素敵ですwww
さて、ちょっと間が空いちゃった更新はなんかやたらとまったりな代物になりました。
リリカルぱにっくにも似たようなの収録しましたが、大体こういうの書く時はキッドが癒されたい時です(ぇ)
おにゃのこは私に愛をおくれぇ〜♪(マテ)
……平和なのーみそですみません(笑)
2010/3/30著
リリカルなのはSS館へ戻る