にゃー。
「……?」
にゃ〜。
「……猫?」
仕事の帰り道、偶然出くわした黒い猫。
全身を覆う漆黒の毛並みに金色の目がよく映えていた。
なんとなく、色合い的に誰かさんを思い出し近づいてみる。
「うーん……赤があれば完璧なんだけど」
残念ながら、その『誰か』を思い起こさせるもう一つの色は見つからない。
金と黒の虎毛で赤い目をした子ならいいのだろうか、と思うけれど、とりあえずこれまでお目にかかったことはない。
仕草や雰囲気が似てる子ならたまに見かけることもあるのだけれど。
「おいでおいで……あ、ダメか、逃げちゃった……」
手を伸ばして呼んでみたけど逃げちゃった。
むぅ、やっぱりご飯になる物がないとダメか。
「……なのは? 何してるの?」
「ん、フェイトちゃん?」
そんなつれないにゃんこが走り去るのを眺めていると、後ろからフェイトちゃんに声をかけられた。
外回りが終わって戻ってきたばかりらしく、ぴっと着こなされた執務官の制服が良く似合う。
「……フェイトちゃん」
「ん?」
「ぎゅーして?」
「ぶっ! そそそそ外だよなのは!?」
「ダメ?」
「……ダメじゃないです……」
わたわたごにょごにょしてから私を抱きしめてくれるフェイトちゃん。
本物はご飯よりなのはで釣れるみたいです。
にゃんこも可愛いけど、赤くなりながらぎゅーしてちゅーしてくれるフェイトちゃんの方が可愛いなぁと思いました、まる。
...Fin
あとがき(言い訳) 制作時間わずか10分のショートSSです、ごきげんよう。
最近SS更新してませんでした、ごめんなさい。
のほほんギャグなマリみてSSも久々にちまちま書いてますので今度UPします。
後はひっそり咲部屋作ってたら笑ってください。
ネギまとストパニも久しぶりに書きそう……お仕事の進展次第ですね全部(泣)
まぁとりあえず久々UPのSSはやっぱりなのはで、本日のキッドの猫遭遇記です♪
可愛かったよにゃんこ、餌無いから逃げちゃったよにゃんこ(苦笑)
フェイトにゃんこを手なずけるなのはさんはさすがな一幕でした♪
2009/9/29著
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