日常茶飯事














「ええかヴィヴィオ、人間何事にも余裕ってものが必要なんや」
「よゆう?」
「せや、ゆとりっちゅーんかな? そういうもんを持っとらんとあかんのや」
 
 
 
 
ヴィヴィオの方に手を置き、そんな真面目ぶったことを語ってみる。
うさぎのぬいぐるみを抱えたままきょとんと見上げてくるヴィヴィオ。
そして、そんなあたしらの横を吹きぬける暴風。
 
 
 
 
「ばかばかばか、フェイトちゃんのバカっ!」
「ご、ごめんなのは、悪気はなかったんだ!」
「レイジングハート!」
『all light, my master』
「なのはっ!?」
 
 
 
 
レイジングハートを構え飛び回るなのはちゃん。
そしてそんななのはちゃんからバルディッシュ片手に逃げ惑うフェイトちゃん。
しかしながら目の前で展開されている光景は模擬戦ではなかった。
 
 
 
 
「せっかくフェイトちゃんとヴィヴィオにケーキ作ってあげようと思ったのに……」
「な、なのは……」
「どうしてフェイトちゃんが仕上げまでやっちゃうのー!!」
「だ、だって、泡立て途中で置いてあったから、手伝おうと思って……」
『Accel Shooter』
「わわわわっ!?」
 
 
 
 
びゅんびゅんと飛び交うなのはちゃんの誘導操作弾。
一応結界は張ってあるけど、あたしらの周りをきちんと避けてくれるからありがたい。
もっとも、追い立てられているフェイトちゃんは逃げるのに必死なんやけど。
 
 
 
 
「だからって、最後まで仕上げちゃうことないじゃない!」
「で、でも置いといたらせっかく泡立てたのダメになっちゃうし……」
「……レイジングハート!!」
『Divine Buster』
「ディバイン……」
「ちょ、まっ……」
「バスタァーーーー!!」
 
 
 
 
ドンッ! という音と共に視界がピンク色に染まる。
きれー、とはしゃぐヴィヴィオの頭を撫でる。
咄嗟に防御魔法を展開したフェイトちゃんが呑まれるのが見えたけど……生きとるやろか?
 
 
 
 
「うー……」
『master』
「……うん、ごめん……やりすぎた……」
 
 
 
 
一発全力でぶっ放して気が済んだのか、おとなしくなったなのはちゃん。
肉体言語って恐ろしい。
 
 
 
 
「なのは……」
「ふぇ、フェイトちゃん!?」
「結構痛かったよなのは……」
 
 
 
 
立ち込める煙の中からぬぅっと現われたフェイトちゃんは後ろからなのはちゃんを羽交い絞めに……
いや、ちゃうな、あれは抱き締めとるだけやな、うん。
 
 
 
 
「あぅ……ごめんね、フェイトちゃん」
「うん、でも元はといえば私のせいだし……」
「ううん、フェイトちゃんは悪くないよ。あんなことで私が怒っちゃったせいだし……」
「そんな、私は嬉しいよなのは。私とヴィヴィオのためになのはがしてくれてたことだもん」
 
 
 
 
そして目の前で展開される砂を吐きそうな光景。
さっきまでとは別の意味で視界がピンク色に染まっている。
……あたしらがいるの忘れてへん、なぁ?
 
 
 
 
「大好きだよなのは」
「にゃはは、私もフェイトちゃん大好き」
「今日のところは、私のケーキを食べてくれるかな?」
「うん、今度は一緒に作ろうねフェイトちゃん」
「もちろんだよなのは」
 
 
 
 
たかがケーキ一つで何をバカなと言うなかれ。
なのはちゃんとフェイトちゃんにとっては、どれだけお互いを想っているかということの意思表示である以上、
至って真剣なことなのだ。
 
 
 
 
「なのは♪」
「フェイトちゃん♪」
 
 
 
 
痴話喧嘩ここに極まれり。
吹き飛んだ部屋の修理代は、給料から差っ引かせてもらおうと思った。

 
 
 
 

...Fin

 
 


あとがき(言い訳)

あまーい!(゜∀゜*)(古い)を目指して書いてみたらなんか壊れました。
きっとそんな私が壊れ系なキッドです、ごきげんよう。

原稿、やばすぎ、でも仕事もやばすぎ。
そんなギラギラした生活が大好きです。でも癒しも欲しい(苦笑)
頑張って生きますわっ!(笑)

2008/9/20


リリカルなのはSS館へ戻る

inserted by FC2 system