消毒ですよシリーズ1














任務任務の忙しい日々。
それでも、こうして地上へ戻ってくれば、愛しい人と可愛い娘のそばにいられるわけで。
 
 
 
 
「なのは、手伝うよ」
「じゃあ、そっちの野菜お願い」
「うん、わかった」
 
 
 
 
妻と一緒に楽しく夕飯の準備に勤しむ高町フェイト(20歳)、現在幸せの真っ只中にいます。
 
 
 
 
「なのはママ、今日は何?」
「んー、今日はカレーだよ〜」
「フェイトママとなのはママで、美味しいの作るからね」
「うん! ヴィヴィオもお手伝いする!」
「じゃあヴィヴィオはお皿を出すの手伝ってね」
「うん♪」
 
 
 
 
ニコニコと私たちの足元にくっついているヴィヴィオ。
なのはが棚からお皿を出すとそれを受け取り、テーブルの上に準備していく。
まだ料理とかは危ないからほとんどさせないけど、この調子だと料理の手伝いもするー、って言い出すんだろうなぁ。
 
 
 
 
「ん、どうしたのフェイトちゃん」
「いや、危ないから料理の手伝いは、まださせられないなと思って」
「そうかな、ちゃんと見てれば平気じゃない?」
「ダメだよ、包丁とかで指切っちゃったりしたら大変……つっ!!」
 
 
 
 
そんな話をしながら余所見をしていたせいか、私が指を切ってしまった。
包丁を持つ手とは反対の手の指先から、赤い血が滲み出す。
 
 
 
 
「もー、言ってるそばから、フェイトちゃんが指切ってどうするの?」
「ご、ごめんなのは。でもこのくらいなら……」
 
 
 
 
舐めておけばすぐに治るよ〜、って、そう私が言う前に、なのはが私の指先をパクッと咥えた。
 
 
 
 
「な、なのっ……!」
 
 
 
 
落ち着け、落ち着くんだ私。
ただなのはが消毒代わりに私の指を舐めてくれているだけじゃないか。
決して夜のようなアレな行為をしているわけではなくて…………
 
 
 
 
「ん……これで大丈夫かな?」
「う、うん、ありがとうなのは……」
 
 
 
 
そう言ってなのはが口を離すまで、私は一生懸命戦っていた。
必死に、これは消毒、これは消毒、と念じてどうにか乗り切ることができた。
偉いぞ私、よくやった。
 
 
 
 
「フェイトママ、指切ったの?」
「ん、うん、でももう平気……」
「ヴィヴィオもするー♪」
「えっ?」
 
 
 
 
パクッと、なのは同様私の指先を咥えるヴィヴィオ。
なのはの誘惑(違う)を、なんとか乗り越えて油断していた私の思考は、完全にオーバーヒートした。
 
 
 
 
「え、ちょっ、フェイトちゃん!?」
「フェイトママー!?」
「……きゅ〜〜〜〜〜………………」
 
 
 
 
二人の声を遠くに聞きながら、私は意識を手放した。
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
「37度4分……」
「あぅ……」
「もう、フェイトちゃんったら、どうしてあれだけで知恵熱なんて出るの?」
「うぅ……だって……」
 
 
 
 
あっけなく意識を失った私は、現在ベッドに寝かされていた。
その横で体温計を見ながら、苦笑するなのは。
 
 
 
 
「うー、なのはが急にあんなことするからだよ」
「えぇっ!? わ、私のせいなの!?」
「うん、だから一緒に寝よう、なのは♪」
 
 
 
 
私の発言に驚いているなのはに微笑むと、私はベッドになのはを引きずり込んだ。
その晩、知恵熱の責任をしっかりとってもらったのは言うまでも無い。

 
 
 
 

...Fin

 
 


あとがき(言い訳)

料理中に指を切ったー、そして指を咥えたー!!わー♪、なお話を各作品で書いてみようかシリーズ(長いよ)
っていうか、あれー?
当初はフェイトさんぶっ倒れて終わり、だったはずなのに、いつの間にかなのはさんが食われてる。
なぜに?
あれか、これもフェイトさんの愛のなせる業ってか(笑)
ヘタレのはずだったのに、その後に狼がちゃっかりしっかりついていたらしいです。
まぁ、普通にありがちなネタですが、例によってかぶりはスルーでよろです(笑)

後は他の作品でもこのネタで書いてみようかと♪
……あー、マリみてとか、ストパニとか、カオスな内容になりそうなのはなぜだろう?(苦笑)
ま、できてからのお楽しみ、ってことで♪

2008/6/12


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