もっふもふ

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「フェイトちゃん、ふさふさだね〜」
「……」
「金色がとても綺麗……」
「……」
「この紅い瞳も素敵だよ……」
「……なのは」
「ん、なぁに、フェイトちゃん」
 
 
 
 
いつまでたっても戯れをやめようとしない妻に向かって一言。
 
 
 
 
「お隣のわんこじゃなくて、私を構って」
「やだ♪」
「くぁっ……!!」
 
 
 
 
にっこりと、とても上機嫌な様子で否定の言葉を吐くなのは。
それでも彼女の目が笑っていない時点で、上機嫌でもなんでもないということなのだけれど。
 
 
 
 
「なんでぇ、どうしてぇ……」
「……知らない、自分の胸に聞いてみれば?」
「はぅ……」
 
 
 
 
いつになく辛辣な妻の言葉に、早くも私は轟沈する寸前である。
だってだって、なんかもう、朝起きたときからこんな状態だったんだもん。
私にどうしろっていうのさぁ……
 
 
 
 
「フェイトちゃ〜ん?本当にわからないのぉ?」
「あぅ……」
 
 
 
 
今日一日、諸事情で預かることになっていた、お隣のわんこにもふもふしながら問いかけてくるなのは。
確かにね、そのわんこは綺麗な金色の毛だし、目も私と同じ紅色だよ?
でもだからって、私代わりにそのわんこと戯れてないでよなのはぁ……
 
 
 
 
「……フェイトちゃん、この間また過労で倒れかけたんだってね」
「あ……」
 
 
 
 
しょうがない、というふうに溜め息をついてからなのはが語ったのは、先日の私の失態で。
任務終了後に、過労から眩暈を感じ、シャーリーとティアナに半ば無理やり休息をとらされたのだった。
く、口止めしておいたはずなのに、どこから漏れたんだろう……
 
 
 
 
「その、ご、ごめんなさい……」
「何回聞いたかなぁ、そのセリフ」
「うぅ……」
「いい加減怒るよ、フェイトちゃん」
「すみません……」
 
 
 
 
もうすでに相当怒ってる気がします、なのはさん。
確かに、過剰に仕事をしようとする自分の性格に気がついてはいるが、最近はそれだけではない。
長期任務、は基本的に任務が終わらないから長期なわけで、終わりさえすればそれだけ早く帰れるわけで……
 
 
 
 
「その、早く、なのはとヴィヴィオに会いたかったから……」
「はぁ……」
「ごめんなさい……」
 
 
 
 
そのため、どうしても長期任務の時は無理が重なってしまう。
それでこうやって、心配かけたり呆れさせちゃダメだって分かってるけど、やっぱり会えない時間は寂しくて仕方が無い。
 
 
 
 
「むぅ……」
「なのは……」
「だからって、無理されたら心配になっちゃうよ?」
「うん……」
 
 
 
 
もふもふを継続していたわんこから、やっと離れてくれたなのはは私の隣に腰を下ろす。
私の両頬に手を置いて諭すなのはに、自分のわがままのせいなので、やはり申し訳なさを感じる。
 
 
 
 
「それに……私だって寂しかったもん」
「……っ!なのは!」
 
 
 
 
だけど、寂しかったのは私だけじゃなかったみたいで。
なのはのその言葉に、根こそぎ理性を刈り取られた私は、なのはの唇を塞ぐと、一気に抱き上げた。
そのまま寝室まで直行すると、ベッドになのはを降ろし、その上に覆いかぶさった。
 
 
 
 
「そんなこと言われたら我慢なんて出来ないよ……」
「いいよ……私だって、我慢しないもん……」
 
 
 
 
指を絡め、瞳を交わしたら、後はもう溺れるだけだ。
私となのはは、互いを求め合いながら、娘が帰ってくるまでの時間を有意義に過ごしたのであった。

 
 
 
 

...Fin

 
 


あとがき(言い訳)

続かないよ?(ぇ)
単に同人誌用の原稿で、初々しい二人ばかり書いてたから、問答無用でいちゃつく二人が書きたかっただけだし(笑)
いや、書けって言われたらいつものように、書いちゃうかもだけど。

内容はとりあえずヴィヴィオが学校にいってる間に、もふもふするなのはさん。
フェイトさん放置。
なんだかんだいいつつ、結局はベッドに直行。
とかいう、それ以外になんも考えちゃいないSSです。だからいちゃいちゃ書きたかったんだってば(笑)

そんなわけで、一冊目の原稿は上がったけど、二冊目に着手してて干乾びてるキッドでした。
日の入りとともに活動し、日の出とともに休みます。あぁ、不健康(苦笑)

2008/4/17著


リリカルなのはSS館へ戻る

inserted by FC2 system