休憩中














「ねぇ、はやてちゃん……」
「あかん、なのはちゃん、これも仕事や……」
「そうかなぁ……」
 
 
 
 
頑なに仕事と言い張るはやてちゃん。
そう言われてしまえば、はやてちゃんが上司である以上、私に選択権は無い。
 
 
 
 
「ええやんかたまには、私かて息抜きくらいしたいんよ」
「それは分かってるけどね……」
「それに息抜きの手伝いをしてくれる、って言うたんはなのはちゃんやんか?」
「言ったよ、言ったけどね……」
 
 
 
 
確かに言った。
働き詰めで、疲れた表情を見せるはやてちゃんに何かしてあげたくて。
だから、私に出来ることは何か無いか、と聞いたのだ。
 
 
 
 
「こんなので本当に息抜きになってるの?」
「なってるなってる、私の好きな物知っとるやろ、なのはちゃん?」
「う、うーん……」
 
 
 
 
他の人だったら微妙だけど……
はやてちゃんの趣向からすれば、息抜きになるのかな?
 
 
 
 
「んー……それならいいんだけど……」
「うんうん、なーんも問題あらへんって。あぁ、なのはちゃんの乳は相変わらず最高やなぁ……」
「にゃはは、私よりフェイトちゃんやシグナムさんの方がいいと思うんだけどなぁ」
「何言うてるんなのはちゃん、なのはちゃんの胸も負けてへんで。私が言うんやから間違いない!」
 
 
 
 
グっと拳を握り締めて言うはやてちゃん。
でもその反対の手は私の胸を揉んでるし、顔を胸の谷間に埋めて摺り寄せてるので、なんか迫力に欠ける。
 
 
 
 
「でもいいのかなぁ、勤務中にこんな……」
「平気やって、それにこれも部隊長を癒す立派なお仕事や♪」
 
 
 
 
少し横になった方がいいと言った私に対し「なのはちゃんが一緒じゃなきゃ嫌や」とはやてちゃんから言われ、
更に私はまだ勤務中だから、と言うと「これもお仕事やから平気や!」と返された。
お陰で今現在、ソファに横になった私の上にはやてちゃんがいる状況で、ヴィータちゃんあたりに見つかるとちょっと怖い気がします。
 
 
 
 
「んー……」
「はやてちゃん、眠いの?」
「ちょっとなぁ……」
「昨日も遅かったんでしょ?」
「なはは……大したことないよ、ほんまやで?」
「むー、信用できないなぁ」
 
 
 
 
それでも、はやてちゃんは随分とリラックスした様子を見せてくれる。
さっきまでの張り詰めた雰囲気からかなり良くなったみたいで、ホッとする。
はやてちゃんの言うとおり、少しは息抜きの役に立てたらしい。
 
 
 
 
「あ酷っ、ほんまに大丈夫やで?それに、なのはちゃんの方こそ、無理してへん?」
「私? 私は平気だよ」
「何言うてるん、なのはちゃんの平気の方がよっぽど信用できへんしー」
「えぇぇ? そ、そうかなぁ……?」
 
 
 
 
うぅぅ、私の言葉って信用されてないのかなぁ?
そういえばフェイトちゃんも同じようなこと言ってたけど……
いや、でも、それなら、フェイトちゃんとはやてちゃんの大丈夫、だって絶対信用できない、うん。
 
 
 
 
「まぁなんにしても、今はこの至福の時間を堪能させ……」
「はやて、いる? この報告書についてなんだけど……あっ!!」
「あ……」
 
 
 
 
お腹の中でフェイトちゃんのことを考えたせい……ではないと思うけど、
報告書を片手に部隊長室に入ってきたのは、フェイトちゃんだった。
いきなりの来訪にそんな対応出来るわけも無く、ソファに寝そべったままの私とはやてちゃん。
別に見られたからどうということは無いけど、フェイトちゃんの方から冷気が伝わってくるのは何故だろう?
 
 
 
 
「……なのは、ちょっと失礼するよ」
「ふぇ?」
「ちょっ、フェイトちゃん何すっ……首っ、首はあかんてー!?」
 
 
 
 
カツカツカツ、っとヒールの音を立てながら近寄ってきたフェイトちゃんは、
はやてちゃんの首根っこをぐわしっ、っと掴むと、部屋の隅まで引きずっていった。
だ、大丈夫かな、はやてちゃん。
 
 
 
 
「(どういうことはやて! 抜け駆けはしないって約束じゃないか!!)」
「(どうもこうも、なのはちゃんからしてくれる言うたんやらから、ええやない)」
「(よくないよ!! 私だってなのはの胸を触る機会なんてあんまりないのに!)」
「(何言うてるん! 一緒の部屋で寝泊りしとるんやから充分やんか!!)」
「(大体はやてはいつだって、なのはの胸を揉むし!)」
「(フェイトちゃんも揉みたかったら揉んだらええやん!!)」
「(出来るわけ無いでしょうっ!!)」
 
 
 
 
……なんだろう、何を話してるのか、ここからだと聞こえないけど、二人からただならぬオーラを感じる。
け、ケンカしてるわけじゃないよね?
 
 
 
 
「ゴホン、あー、とにかくなのははもうすぐ午後の訓練があるから、このまま連れてくからね」
「うー、しゃあないなぁ……後で返してなぁ〜?」
「返さないよ! はやてのじゃないんだから!!」
 
 
 
 
しばらくそんな空気が続いていたのだけど、一段落したのか、フェイトちゃんとはやてちゃんが戻ってきた。
フェイトちゃんに言われ時計を見ると、確かにもうすぐ午後の訓練の時間に近くなっていた。
 
 
 
 
「じゃあ私は訓練に行くけど……はやてちゃん、もう平気?」
「平気やない〜、もっとなのはちゃんのお胸が欲しいんや〜 」
「ダメだって言ってるでしょうはやて!!」
「ぶー、ほんならまた今度、フェイトちゃんがいない時にさせてな、なのはちゃん」
「はやて!!」
「にゃはは……」
 
 
 
 
はやてちゃんはまだ足りないみたいで、唇を尖らせていたけど、さっきより大分元気になってくれたみたいでよかった。
……でもなんでフェイトちゃんが怒ってるんだろう?
またはやてちゃんが何か言ったのかなぁ……?
 
 
 
 
「じゃあ私となのはは訓練に出てくるから……」
「了解や、二人とも頑張ってな〜」
「うん、ありがとうはやてちゃん」
 
 
 
 
はやてちゃんに見送られながら、部隊長室を後にする私とフェイトちゃん。
これから午後の訓練に向けて集中していかないといけないんだけど……
フェイトちゃんからまだちょっと冷気が出てるような……うーん、やっぱりなんか怒ってる?
 
 
 
 
「……フェイトちゃん、何か怒ってる?」
「怒ってないよ……」
「むぅ……じゃあどうしてこっち見てくれないの?」
「う……それは、その……」
「フェイトちゃ〜ん?」
「うぅ……だって、その……う、羨ましくてっ!」
「ほぇ?」
 
 
 
 
羨ましい、羨ましい、羨ましい……って、羨ましい?
 
 
 
 
「その、なのはに抱きついてるはやてが、羨ましいなって……」
「あー……」
「ご、ごめんねなのは、気にしなくていいからっ!」
 
 
 
 
言葉にしちゃってから、慌てふためくフェイトちゃん。
……フェイトちゃんって、そんなに胸好きだったっけ?
でもそれなら……
 
 
 
 
「じゃあ、後でフェイトちゃんにもしてあげるね♪」
「あ、え……す、するって何を……」
「え? だって、フェイトちゃんもあれしたいんでしょ?」
「し、したいけど……いいの?」
「うん、フェイトちゃんも最近大変そうだもんね、はやてちゃんみたいにあれでリラックスできるのかは分からないけど……」
 
 
 
 
はやてちゃんもフェイトちゃんも、私の大事な親友だ。
ちょっとリラックスの方法があれな気もするけれど、二人がそれでいいっていうならいいんだと思う。
 
 
 
 
「……」
「フェイトちゃん?」
「(な、なのはの胸に顔を埋められる……)……きゅぅぅ〜〜〜っ」
「ふぇぇっ!? ふぇ、フェイトちゃーんっ!?」
 
 
 
 
だけどフェイトちゃんは、顔を真っ赤にして黙り込むと、そのままその場で倒れてしまった。
顔だけはこの上もなく幸せそうに笑っているのに、一体どうして?
フェイトちゃんを抱えたまま、廊下で身動きが取れなくなった私は、慌ててシャマル先生へと通信を繋いだのであった。
 
 
 
 
 
 
<おまけ>
 
 
 
 
「フェイトちゃん、本当にもう大丈夫?」
「うん、昼間はごめんねなのは……」
「ううん、フェイトちゃんが良くなってくれれば、それでいいよ」
「ありがとうなのは……(胸、なのはの胸が顔に喰いこんで……あぁぁぁぁっ)」
 
 
 
 
夜、医務室から戻ってきたフェイトちゃんに、約束どおりギュってしてあげました。
フェイトちゃんがこんなに喜んでくれるとは思わなかったけど、フェイトちゃんの嬉しそうな顔を見てると私も嬉しい。
……でも結局フェイトちゃん倒れちゃった理由は分からずじまいでした。
 
 
 
 
「(うーん、具合は悪くなさそう……だよね?)」
「(ぷ、ぷにぷにのふわふわ……あぅあぅ、我が人生に一片の悔い無し!!)」

 
 
 
 

...Fin

 
 


あとがき(言い訳)

局ラジ聞きながら執筆中〜。
えー、なんか、フェイトさんともはやて師匠とも、付き合っていないなのはさんで書いたら、
キラースマイル……いや、胸か?(笑)を振りまきまくっているなのはさんになってしまいました(笑)
いや、ほら、部隊長達にも息抜きは必要なんだよ!
ぷにぷにでほわほわのお胸に顔を埋めたいとか、決してキッドの願望じゃないんだからね!!

……

えー、あー……あ、そうだ、リリマジお疲れ様でした!(何)
いや、日記にも書きましたが、初参加のわりに盛況で、本当にありがとうございました♪
また次に向けて頑張って書いていきますね〜♪
……ちゃ、ちゃんと締め切りに間に合うように頑張るよ!!(汗)

2008/5/24


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