取り扱い注意?

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
闇の書事件から早4ヶ月。
編入してきたはやても加わり、私達は4年生になりました。
学校にも慣れて、毎日楽しく通っています。
でもちょっと、最近なのはの様子が変なんです。
例えば、
 
 
 
 
「フェイトちゃん、次は音楽室だよ〜」
「うん、もう準備出来てるよ、なのは」
「じゃあ行こう、フェイトちゃん♪」
 
 
 
 
ギュッ♪
 
 
 
 
「う、うん、なのは」
 
 
 
 
・・・・・のように、どんなに短い移動時間でも、必ず手を繋ぐようになったこと。
更に、時々腕にギュッと抱きつかれちゃったりもします。
いえ、どちらも前々からあったことなのですが、最近は特にスキンシップ過剰というか、なんというか・・・・・・
いや、嬉しいですよ?
なのはが傍にいてくれて、とっても嬉しいんです。
だけど・・・・・
 
 
 
 
「えへへ、フェイトちゃん大好き♪」
 
 
 
 
ギュー♪
 
 
 
 
「な、なのは・・・・・」
 
 
 
 
フェイト・テスタロッサ・ハラオウン、幸せすぎて、そろそろどうにかなっちゃいそうです。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
キーンコーンカーンコーン
 
 
 
 
「フェイトちゃーん、帰ろー?」
「うん、なのは」
 
 
 
 
一日の授業も終わって、帰り支度をしていると、いつものようになのはが席まできてくれます。
でも今日は普段と違って、アリサやすずか、はやての姿が見えません。
 
 
 
 
「あれ、なのは、アリサ達は?」
「アリサちゃんとすずかちゃんは習い事、はやてちゃんは局からの呼び出しだって」
「そっか・・・・」
 
 
 
 
と、いうことは、今日はなのはと二人っきり。
皆には悪いけど、かなり嬉しいかも。
 
 
 
 
「えへへ、二人っきりだねフェイトちゃん♪」
「う、うん、そうだねなのは・・・・・」
 
 
 
 
私の思っていたことを、なのはから口にされると、
なのはも私と二人で嬉しいと思ってくれているのかなって、もっと嬉しくなります。
でもその分、頬っぺたが熱いです。
 
 
 
 
「じゃあ行こう、フェイトちゃん」
「うん、なのは」
 
 
 
 
帰り道は、もちろん手を繋ぎました。
今日はなのはが泊まっていく約束だったので、私の家までずっと手を繋いでいました。
その途中で、なのはが腕に抱きついてきて、もっと頬っぺたが熱くなりました。
早く帰りつかないと、茹で上がっちゃいそうです。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
家につくと、私となのははいつも私の部屋でお喋りをします。
管理局のお仕事のことから、学校のことまで。
他愛ない話ばかりだけれど、こうしてなのはとゆっくり過ごす時間が、一番好きかもしれません。
 
 
 
 
「飲み物とか取ってくるから、ちょっと待っててねなのは」
「うん、フェイトちゃん」
 
 
 
 
ちなみに、本日はリンディ母さん達はいません。
クロノとエイミィは、当初はいる予定だったのですが、なんでも急に仕事が入ったとかで、
エイミィがクロノを引きずっていきました。
そのおかげで、ここでもなのはと二人っきりなわけですが・・・・・・
 
 
 
 
「なのは、飲み物持ってきたよ。ここに置くね?」
「うん、ありがとうフェイトちゃん♪」
 
 
 
 
ギュム♪
 
 
 
 
「な、なのは!?」
「えへへ、フェイトちゃ〜ん♪」
 
 
 
 
言葉とともに抱き締められて、スリスリされちゃいました。
なのはを押し倒しちゃいそうだったのを、ぐっと我慢したのは内緒です。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
母さん達がいないので、今日のご飯は二人で作ります。
ご飯とかはもう出来ていたので、おかずを用意します。
 
 
 
 
「なのは、何が食べたい?」
「んとね、フェイトちゃん♪」
「ええっ!?」
「にゃはは、冗談だよ〜」
 
 
 
 
なんて、冗談だか本気だか、よく分からない素敵な笑顔で微笑まれてしまいました。
結局冗談とのことですが、なんとなく目が笑っていなかったような気がしたのは、私の気のせいでしょうか?
首を捻りつつも、考えすぎると熱くなって倒れちゃいそうなので、気にしないでおかずの用意をしました。
そして、食卓にそれらを並べて、いただきますをしたのですが、なのはに手を止められてしまいました。
 
 
 
 
「フェイトちゃん、あ〜ん?」
「えっ!?なのは!?」
「フェイトちゃん、イヤ・・・・?」
「い、いやじゃないよ!凄く嬉しいよ!」
「よかった〜♪じゃあフェイトちゃん、あ〜ん?」
「あ、あ〜ん・・・・むぐむぐ」
 
 
 
 
ニコニコと微笑んだ状態から一転、悲しそうな表情で聞かれ、思わず本音が漏れてしまいました。
その後は、お互いかわりばんこに食べさせあいました。
なんだか、ご飯の味なんてロクに分からなかった気がしますが、とても美味しかったような気もするから不思議です。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ご飯も終わり、後片付けを済ませていると、お風呂が沸きました。
 
 
 
 
「フェイトちゃん、一緒に入ろ♪」
「い、一緒に?」
「イヤ?」
「そ、そんなことないよ!私もなのはと一緒がいい!」
 
 
 
 
なんだか、さっきも同じような問答をしたような気がしますが、
なのはが笑ってくれれば、何でもいいです。
でも、お風呂に入ると、なのはがタオルを持って微笑みました。
 
 
 
 
「フェイトちゃんは私が洗ってあげるね♪」
「はぅ・・・・・」
 
 
 
 
さっきの決断を若干後悔しました。一割くらいですが。
残り九割は、自身への賞賛でした。
結局、身体から髪の毛まで、なのはに洗ってもらっちゃいました。
代わりに、なのはの身体と髪の毛は私が洗ったのですが、お風呂に入る前にのぼせちゃいそうでした。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
幸せすぎて、拷問に近かったような気もしますが、お風呂タイムも終わり、お風呂場からはなんとか生還しました。
後はもう、寝るだけです。
もっとおしゃべりをしていたいし、せっかくなのはがいるのに眠ってしまうのは、
とてももったいない気がするのですが、そろそろ寝ないと明日の学校が大変だし、
何より、なのは分の過剰摂取で、いい加減オーバーヒートしてしまいそうな気がするんです。
 
 
 
 
「なのは、なのはがベッドの方を使ってね」
「ん?ベッドはフェイトちゃんが使っていいよ?」
「ダメだよ、なのははお客様なんだから」
 
 
 
 
いつもならここで、私かなのはが折れるか、ジャンケンでどちらに寝るのかを決めるのですが、
今日は、私もなのはも引きません。
そしてなのはは、、なぜだかポケットの紙を確認すると、ニッコリと笑いました。
 
 
 
 
「うー・・・・・あ、じゃあ一緒に寝ようよ、フェイトちゃん!」
「あぅぅぅ・・・・・・」
 
 
 
 
なんだか今日はこのパターンだらけです。
私、今日は寝られなくなっちゃうかもしれません。
 
 
 
 
「ほらほらフェイトちゃん、早く早くー♪」
「あぅあぅ・・・・・」
 
 
 
 
そしてうまく言葉を返せずにいるうちに、ベッドに引きずり込まれてしまいました。
 
 
 
 
「にゃは、フェイトちゃんあったか〜い♪」
「な、なのはの方が暖かいよ・・・・」
 
 
 
 
ベッドの中でギュッてされると、暖かすぎて、溶けちゃいそうです。
 
 
 
 
「え、えと、なのは、そういえばさっきの紙って・・・・何?」
「ふぇ?んとね、この間エイミィさんに貰ったんだよ♪」
 
 
 
 
完全に溶けちゃう前に、気になっていたさっきの紙のことを聞くと、なのはが見せてくれました。
 
 
 
 
○移動の時は、短い時間でも手を繋ぎましょう
○お礼と一緒にハグを忘れずに
○食事はお互いに食べさせあいましょう
○お風呂は一緒に入って、隅々まで洗ってあげましょう
○寝るときは当然一緒のベッドで、抱きついて寝ること

・・・・等々。
 
 
 
 
「・・・・何、コレ?」
「何って・・・・取扱説明書?」
 
 
 
 
それは分かるよ、確かにそう書いてあるし。
だけどね、『私の』取扱説明書って、どういうことかなぁ・・・・・・
『フェイトちゃん取扱説明書』と書かれたそれを握りつぶしながら、私は力一杯叫んだ。
 
 
 
 
「・・・・エイミィィィィーーーーッ!!!!」 
 
 
 
魔法戦以外でこんなに大声出したの、初めてかもしれません。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「・・・・・って、いうことが昨日あってね・・・・・・」
「・・・・別に、間違うてへんのとちゃうん?」
「そうよね、ピンポイントでフェイトのツボを押さえてるし」
「さすがエイミィさんだよね」
 
 
 
 
翌日、皆に相談したら、逆に肯定されちゃいました。
 
 
 
 
「だって、アンタなのは中毒じゃない」
「うぅ・・・・・」
「それに結局、なのはちゃんと一緒に寝たんやろ?」
「・・・・うん」
 
 
 
 
そうなんです、モニター越しにエイミィに文句は言ったものの、
ギュッと抱きつくなのはから逃れるすべはなく、結局なのはと一緒のベッドで寝ることになったのです。
・・・・うまく寝れなくて、ちょっと寝不足なのは言うまでもありません。
 
 
 
 
「なんや、結局ノロケやんか」
「アホらしい」
「ふふ、フェイトちゃんはなのはちゃんが大好きだもんね」
 
 
 
 
うぅ、なんだか呆れられちゃいました。
でもなのはのことは大好きなので、否定できません。
 
 
 
 
「あ、フェイトちゃ〜ん♪」
「なのは♪」
 
 
 
 
なにより、なのはがいてくれれば、私はとっても幸せです。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
<おまけ>


「昨日はごめんね、フェイトちゃん。本当はイヤだった?」
「う、ううん、そんなことないよ!なのはとたくさん一緒にいられて、私嬉しかったよ!」
「ホント?よかった〜♪じゃあ今度からはもっと一緒にいようね、フェイトちゃん♪」
「う、うん、なのは♪」
 
 
 
 
「・・・・今以上に何を望むのかしら、あの二人」
「うふふ、仲良しさんだね、二人とも」
「あかん、砂通り越して、砂糖吐きそうや・・・・・・」
 
 
 
 
フェイトの幸せな毎日は、こうして過ぎていくのでありました。

 
 
 
 

...Fin

 
 


あとがき(言い訳)

締め切りがー!!!と叫びつつ書いたキッドです。
マジで締め切り30分前です。時間って大事だね・・・・・(涙)

さて、そんなわけで、今回はマッハで書いたわけですが、使用お題は「取扱説明書」です。
そして取扱説明書の文字を見た瞬間、フェイトちゃん取扱説明書が思い浮かんじゃいました(笑)
あ、でも小学生ってキッド的にはかなり珍しいかもです。いつも中学生〜機動六課あたりが多いので。
ちなみに、サイトの日記で言ったとおり、糖分300%を目指しました(笑)
このSSで、少しでも糖分補給していただけたら幸いです♪

仕事も始まっちゃって、中々執筆時間も取れなくなってきちゃうと思いますが、
出来ましたら、これからもキッドを構ってやってくださいまし〜♪
ではでは〜m(_ _)m

200711/17著


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