その温もりが欲しくて


 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
柔らかな指先
 
 
細くしなやかな肢体
 
 
美しい造形の顔立ち
 
 
そして、いつも私を見ていてくれた蒼い瞳
 
 
その身も心も、彼女の全てが愛おしくて
 
 
触れれば溢れそうなこの想いに、どうしたらいいのか分からなかった
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「はぁ・・・・」
「なんや辛気臭いで、フェイトちゃん」
「はやて・・・・別に、何でもないよ・・・・」
「蒼い空を見上げて溜め息ついといて、何でもない言われとってもな〜・・・・」
 
 
 
 
放課後の教室、日誌を提出しに行っているなのはを待っている間に漏れた溜め息は、
目聡い親友に見咎められてしまった。
 
 
 
 
「まぁどうせ、なのはちゃんのこと考えとったんちゃう?」
「・・・・まぁね」
「そんでもって、口では言えないようなあれやこれやしたいー!って、思っとったんやろ?」
「違っ・・・!・・・わない・・・けど・・・・・」
 
 
 
 
図星をつかれて思わず黙り込む。
何だってはやては、こんなに人の心の中を覗くのが上手いんだろう?
 
 
 
 
「んな気にすることないやろ?付き合ってるんやから、普通のことやない?」
「普通・・・なのかな・・・・・・」
「ん〜、少なくとも、好きな人に触れたい言うんは、普通やと思うんやけど」
「でも・・・なのはは、違うかもしれないし・・・・・」
「そんなん、なのはちゃん本人に聞いてみな、分からなんやないの」
 
 
 
 
はやての言うことは正しい。それは私も分かってる。
だけど以前、付き合い始めてからしばらくたったある日、
激情と嫉妬に駆られ、私は彼女を組み伏したことがある・・・・未遂だったけど。
今とは状況が全く違うとはいえ、あの時と同じ轍を踏むわけにはいかないのだ。
 
 
 
 
「はぁ・・・・なんやアホらしゅうて、やってられんわ」
「アホって・・・・」
「あんなぁフェイトちゃん、自分がどんだけ愛されとるか、忘れとったらあかんよ、ホンマ」
「え・・・?それってどういう・・・・」

「ごめんフェイトちゃん!お待たせー♪」

「おっと、なのはちゃんが戻ってきたみたいやし、私は退散させてもうわ〜」
「あれ、はやてちゃん?一緒に帰らないの?」
「そやな〜、お誘いはありがたいけど、馬に蹴られたないんで、遠慮しとくわ〜」
「は、はやてっ!?」
「あはは〜、ほなな〜♪」
「馬・・・・?」
 
 
 
 
きょとんとするなのはを余所に、にこやかにはやては去っていく。
アドバイスをしに来てくれたのか、からかいに来ただけなのか、いまいちよく分からない。
 
 
 
 
「んーと、何かよく分からないけど、とりあえず帰ろうか?」
「あ、うん」
 
 
 
 
私はなのはから差し出された手を、一瞬の戸惑いの後に握った。
なのはがその瞬間、僅かに表情を曇らせたことにも気づかずに。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「送ってくれてありがとう、フェイトちゃん」
「ううん、気にしなくていいよ」
 
 
 
 
いつものように、なのはを家まで送り届ける。
普段ならここで手を離して、別れを告げるところだけど、今日は違っていた。
 
 
 
 
「・・・・・」
「なのは・・・?」
「フェイトちゃん・・・・キスして・・・・・」
「っ!?な、なのは、ここ外だよ?」
「お願い、フェイトちゃん・・・・・」
 
 
 
 
言葉と共に、繋いだ手をギュッと握られる。
どこか切実な様子を少し疑問に思いつつも、私は彼女が求めるまま、その唇に口付けた。
 
 
 
 
「・・・・」
「ん・・・・」
「ふぁ・・・・ありがとう、フェイトちゃん」
「うん・・・・じゃあ、私は帰るね」
「うん、また明日ね・・・・」
 
 
 
 
長いキスの後、私は努めて冷静に応え、踵を返す。
そして、なのはの視界から外れると、壁を背に息をついた。
 
 
 
 
「なのは・・・・」
 
 
 
 
鮮明に思い出せる、先ほどの指先と唇の感触。
口付けた後、自制しなければ、外だという事も忘れて、なのはに深く口付けていただろう。
しかもその自制自体、もうろくに効かなくなってきている。
 
 
 
 
「ダメだなぁ、私・・・・」
 
 
 
 
どうしようもない程、彼女に溺れている自分がいる。
感じるのは、彼女に触れていたいという渇望と、圧倒的な恐怖心。
彼女に嫌われたら、今の私は生きていけないかもしれない。
それ程、今の私は彼女に依存しているのだ。
 
 
 
 
「少し、距離を置いた方がいいのかな・・・・・」
 
 
 
 
それ程彼女を想っていながら、私は全く気がついていなかった。
私の葛藤の一つ一つが、彼女を傷つけている、そのことに。
 
 
 
 
それからの日々は、実に味気ないものだった。
気持ちが落ち着くまではと、自分から距離をとったくせに、
気がつけば、いつでもなのはの姿を探していた。
それでも私は、距離を置き続けた。
どんなに辛くても、私だけが我慢をすればそれで済む、その時はそう思っていたから。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「あの、フェイトちゃん・・・・」
「なのは・・・・」
「その、今日は・・・・」
「ん・・・ごめん、今日はちょっと寄る所があるから・・・・」
「そっか・・・じゃあ、先に帰るね・・・・・」
 
 
 
 
寂しげに目を伏せる様子に心が痛んだが、今更一緒に帰る、とは言えない。
その背中を見送ってから、私も席を立った。
だけどそのまま、まっすぐに帰る気にはなれなくて、あちこちぶらぶらと寄り道をしながら帰った。
その何処もが、なのはと立ち寄ったことのある場所で、思い出すのはなのはとの記憶ばかりだった。
無理して距離を置いたのに、私は結局何も変わっていない。
その事実に、思わず苦笑を漏らす。同時に、マンションの前に佇む人影に気がついた。
 
 
 
 
「なの・・・は・・・・?」
「・・・・遅いよ、フェイトちゃん」
「何やって・・・・!?」
 
 
 
 
慌ててなのはに駆け寄ると、その身体は随分と冷えていて、
かなり長い時間、彼女がここにいた事が伺えた。
 
 
 
 
「フェイトちゃんを待ってたの・・・・ちゃんと、話がしたくて」
 
 
 
 
ハッとしてなのはを見ると、その瞳には強い光が宿っていた。
私が、始めてなのはに惹かれたあの時と同じ、強い光が。
 
 
 
 
「・・・・分かった。とりあえず私の部屋に行こう?」
「うん・・・・・」
 
 
 
 
この状態のなのはに誤魔化しは通じない。
何より、こんな寒いところにこれ以上、なのはを置いておくわけにはいかない。
私は彼女の手を引くと、急ぎ足で自宅へと向かった。

マンションの中に入り、自宅の玄関をくぐると、私は暖房を入れた自室になのはを押し込み、
キッチンでミルクを温める。
それからホットミルクを持って自室へ戻ると、なのははベッドの端に遠慮がちに腰掛けていた。
 
 
 
 
「なのは、はいこれ」
「あ、うん、ありがとうフェイトちゃん」
 
 
 
 
なのはは暖をとるように、カップを両手で持って飲み始める。
何だか小さい子供みたいで可愛い。
その様子にクスリと笑みを漏らすと、何?というように、なのはがこちらを見る。
何でもない、と首を振り、私も自分のを飲み始めた。
それからはお互い、飲み終わるまでなんとなく無言で、
一足先に飲み終えたなのはが、カップを置くと私も同じようにカップを置いて、なのはと向かい合う。
 
 
 
 
「さてと・・・フェイトちゃん」
「なのは・・・・」
「最近、どうして私を避けてたのか、聞かせてくれる?」
「・・・・うん」
 
 
 
 
有無を言わせぬなのはの口調に、少し気おされながら答える。
もっとも、あの瞳を見てしまった時点から、私はもう観念するより他なかったのだけれど。
 
 
 
 
「あの・・・ね・・・・」
「うん・・・・」
「・・・怖かったんだ・・・・・」
「え・・・・?」
「なのはに触れたくて、でもまたなのはに嫌な思いさせちゃうんじゃないかって・・・・」
「フェイトちゃん・・・・」
「今度こそ、嫌われちゃうんじゃないかって!・・・・そう思って、怖かったんだ・・・・・・」
 
 
 
 
ギュッと拳を握り締め、そう言った私に対して、
なのはの返答は、実に簡潔なものだった。
 
 
 
 
「・・・・バカ」
「え・・・・」
「バカバカバカ!フェイトちゃんのバカ!!」
「え、え、え?」
「もうっ!どうしてそんなにバカなのよぉっ!!」
「ちょっ!そんなにバカバカ言わなくても・・・・」
「だってバカなんだもの」
「うぁ・・・・・」
 
 
 
 
凄まじい勢いで、バカを連呼される。
今回の件に関して、自覚が無いわけじゃないけど、さすがにちょっとへこんできた。
 
 
 
 
「どうしてそう、いつも一人で勝手に決めちゃうの?」
「えっと・・・・・」
「私は、フェイトちゃんの何?」
「それは・・・私の恋人で、一番大切な人・・・・だよ」
「だったら・・・・一人で全部、決めちゃわないでよ・・・・・・」
「なのは・・・・」
「フェイトちゃん、私言ったよね、我慢しないでって」
「それは、そう・・・だけど・・・・・」
「無理な我慢なんて、して欲しくないよ、私は」
 
 
 
 
まぁ、そこがフェイトちゃんらしいんだけど、と少し困ったようになのはは笑う。
なんかもう、色々ごめんなさいとしか言えないような展開に、居たたまれなくて、ベッドの上で身を縮める。
 
 
 
 
「その・・・・ごめんね、なのは」
「うん・・・・今度また何も言わないで離れようとしたら、本気で怒るからね」
「うん・・・・」
「それに・・・・私の方が、嫌われちゃったのかと思って怖かったんだからね?・・・・・・泣いちゃうよ?」
 
 
 
 
その言葉にハッして顔を上げると、なのはは淡く笑いながらも瞳に涙を浮かべていて・・・・・・
私は堪らず、なのはを腕の中に抱き寄せた。
 
 
 
 
「なのはを嫌いになるなんて、ありえないよ・・・・」
「フェイトちゃんのバカ・・・・悲しかったんだからぁ・・・・・」
「ごめん、本当にごめんなのは・・・・・・」
 
 
 
 
しがみ付いて来るなのはを、あやすように背中を撫でる。
なのはを守ると言いつつ、こうしてなのはを傷つけるのはいつも私で。
 
 
 
 
「なのは・・・そのままでいいから聞いて」
 
 
 
 
だから終わりにしよう、逃げてばかりの自分を。
 
 
 
 
「私は・・・・なのはが好きだよ」
「うん・・・・」
「もっとなのはに触れたいし、触れて欲しい・・・・誰にも、渡したくない」
「フェイトちゃん・・・・」
「私は、なのはの全てが欲しい」
「うん・・・・私もフェイトちゃんが好き、フェイトちゃんが・・・欲しいよ・・・・・」
 
 
 
 
私の二度目となる本気の告白に、
涙に濡れた瞳で微笑んで、なのはは応えてくれる。
私はなのはの涙をぬぐうと、しっかりと口付けた。
 
 
 
 
「なのは・・・本当にいい?」
 
 
 
 
頬を撫で、念を押しながらなのはの瞳を覗き込む。
一度始めてしまえば、おそらくもう、止まる事は出来ないだろうから。
 
 
 
 
「平気だよ。だって、フェイトちゃんだもん」
「うん・・・・私もなのはだからしたいんだ」
 
 
 
 
そう笑い合って、啄ばむように口付けを交わす。
時々角度を変え、煽るように舌先でなのはの唇を掠めていく。
そして我慢できずに開いたなのはの唇に、舌を差し込み深い口付けへと変えていく。
 
 
 
 
「ん・・・はっ・・・・・」
「ふぇ・・・・んんっ・・・・・」
 
 
 
 
息継ぎの合間に漏れる呼気が、熱を帯びていく。
一度その唇から離れると、唇の間に銀の橋がかかった。
それに引き寄せられるように、再びなのはに口付ける。
背中に回された腕で、必死にしがみ付いて来るなのはが愛おしくて堪らない。
何度も舌を絡ませ、唇を塞ぐ。
 
 
 
 
「ふっ・・・ん・・・・なのは」
「ん・・あ・・・・フェイトちゃん・・・・・」
 
 
 
 
絶え間ない口付けの合間に、名前を呼び合う。
もう何度目の口付けなのかも分からなくなった頃、ようやく私達は離れた。
 
 
 
 
「はっ・・・あ・・・・・」
 
 
 
 
そして息を整えているなのはに、一度軽く口付けてから問う。
 
 
 
 
「なのは・・・・えっと、服脱がせても、いいかな・・・・・・」
 
 
 
 
なのはは一瞬、きょとんとしてから吹きだした。
 
 
 
 
「フェイトちゃん、普通こういう時って、そういうの聞かないんじゃない?」
「う・・・ご、ごめん・・・・・」
「うん、でもフェイトちゃんらしくて、なんか嬉しい」
 
 
 
 
そう笑いながら、なのはも口付けを返してくれる。
それからぎこちない手つきで、お互いの制服を脱がせていき、一糸纏わぬ姿で向かい合う。
一緒にお風呂に入る時に目にした事があるとはいえ、今は状況がまるで違う。
何とも言えない気恥ずかしさが、二人を包む。
それでも、なのはを抱き寄せつつ、耳元で囁く。
 
 
 
 
「なのは、凄く綺麗だよ・・・・・」
「それはフェイトちゃんだよ・・・・・」
 
 
 
 
抱き締め、密着する暖かい肌の感触に泣きそうになる。
今私達を遮るものは何も無い。
私は・・・ずっとこうしたかったんだ・・・・・・
きつく抱き締め頬擦りすると、なのははくすぐったそうに身をよじる。
そのまま頬と耳に口付け、なのはを抱き上げると、優しくベッドに寝かせた。
頬を撫でながらもう一度口付け、手を首筋から胸元へ、唇を喉元へ移動させると、
喉元に舌を這わせ、なのはの胸を優しく包み込んだ。
 
 
 
 
「んっ・・・ふぁ・・・・・」
 
 
 
 
零れる吐息が、私の理性を溶かしていく。
ほとんど無意識に、首から鎖骨にかけて沢山の赤い花を咲かせ、なのはの胸を強弱をつけて揉みしだく。
唇はそのまま胸元へと降り、触れていない方の胸へ口付け舐め始める。
周りから舐め、徐々に中心へ向かい、辿り付いた頭頂部を口に含み、
舌で転がすと、なのはから我慢したような押し殺した声がもれる。
 
 
 
 
「あぅうん・・・・くぅ・・・・・」
「なのは・・・・我慢しなくていいから・・・・声、聞かせて?」
「や・・・だって恥ずかし・・・・ふぁぁっ!?」
 
 
 
 
再度口に含んだ乳首を甘噛みし、もう片方を指で摘み転がすと、なのはからより甘い声が漏れ始める。
我慢なんかしなくていい、我慢なんか出来ないくらいに溶かしてしまいたい。
そう思い、両の乳房に優しく、けれど執拗に愛撫を続けていく。
 
 
 
 
「んっあっ・・・フェイト・・ちゃ・・・・っ!!」
「なのは・・・・」
 
 
 
 
冷静さはどんどん無くなり、より強くなっていく熱に私もなのはも翻弄される。
だけどまだ足りない、もっとなのはが欲しい。
空いている方の手で、脇腹をなぞり、太腿を撫でる。
それに反応し逃げようとする腰を押さえ、舌を胸元から下へ移動させていく。
 
 
 
 
「んぅ・・・フェイトちゃん・・・・・」
 
 
 
 
下腹部あたりまで到達すると、不安そうななのはの声が漏れた。
 
 
 
 
「ん・・・・大丈夫だよ・・・・・」
 
 
 
 
私は出来るだけ優しい声でそう言い、なのはのなだらかなお腹に舌を這わす。
そしてそのまま下り、なのはの秘所に辿り付く。
まだ誰にも触れさせたことの無いそこは、溢れ出す蜜で濡れ、美しい光をはなっていた。
 
 
 
 
「ふぁ・・・・あんまりじっと見ないで、フェイトちゃん・・・・」
「ごめん・・・でも・・・・凄く綺麗だよ、なのは・・・・・」
 
 
 
 
思わず見惚れていると、なのはから抗議の声が上がる。
私はなのはに微笑んでから、ゆっくりとそこへ舌を伸ばす。
そしてどんどん溢れてくる蜜を、丹念に舐めとっていく。
 
 
 
 
「んあぁっ!くっ・・・あぁっ・・・・・」
 
 
 
 
一舐めするごとになのはの声が上がる。
その声を、その蜜をもっと味わいたくて、溢れ出る蜜に続けて口をつける。
 
 
 
 
「ひぁ・・・んっ・・・うぁ・・・フェイト・・・・ちゃん・・・・」
 
 
 
 
伸ばされたなのはの手をとり、指を絡める。
一度秘所から顔を上げ、その手に口付けると、
片方の手の指先を入り口にあてがい、傷つけないようにゆっくりとなのはの中へ進んでいく。
大量の蜜に助けられ、比較的スムーズに入れたものの、
それでも初めて異物を受け入れた膣は狭く、強く私の指を締め付けてくる。
そこから少しずつ先へ進むと、指先に弾力のあるものを感じた。
辿り付いたなのはの純潔の証。
それを本当に破ってしまっていいものか、私の中に一瞬の躊躇がうまれる。
 
 
 
 
「ん・・・フェイトちゃん・・・・止めないで・・・・・」
「・・・なのは」
「フェイトちゃんじゃなきゃ嫌だよ・・・・他の誰かじゃ嫌だから・・・・・」
 
 
 
 
その言葉に突き動かされるように、指を進めた次の瞬間、
指先に弾けるような感触が伝わり、なのはの純潔の証を引き裂いた。
 
 
 
 
「・・・っぅ!?・・・・くぅっ・・・・・!!」
 
 
 
 
当然、相応の痛みがあったのだろう。
なのははギュッと目を瞑り、その痛みに耐えている。
その姿に申し訳なさと、深い愛しさが溢れ出す。
 
 
 
 
「なのは・・・・」
「はぁ・・・フェイトちゃん・・・・・」
「ありがとう・・・・」
「うん・・・・」
 
 
 
 
なのはの目じりに浮かんだ涙をぬぐい笑いかけると、なのはも笑い返してくれる。
 
 
 
 
「ん・・・・もう動かしても大丈夫だよ、フェイトちゃん・・・・・」
 
 
 
 
なのははそう言ってくれるが、おそらくまだ痛いはずだ。
どうしようか思案するものの、ここで止めるという選択肢は既に無い。
なにより破瓜の痛みに耐えてまで、受け入れてくれたなのはに対して、中途半端な行動はとれない。
私はそう考えてから、差し込んでいた指を引き抜いた。
 
 
 
 
「フェイト・・・ちゃん?」
 
 
 
 
なのはが怪訝そうな顔をする。
大丈夫、止めるわけじゃないよ?
見上げてくるなのはに見えるにように、私は破瓜の血が残る指を口に含んだ。
 
 
 
 
「ふぇ、フェイトちゃん!?」
 
 
 
 
その行動に朱に染まるなのはを可愛いなぁと、ぼんやりと見やりつつ、
自らの指についている、破瓜の血を残さず舐めとっていく。
彼女の血は実に甘美だった。
何よりも甘く、麻薬より強く、私を捉えて離さない。
なのはを手に入れたつもりで、でもきっと捉えられたのは私の方。
 
 
 
 
「あ・・・・」
「ん・・・凄く甘いよ、なのは・・・・・」
 
 
 
 
指の血を舐めつくし、次に求めるのはなのはの秘所。
蜜に混じり、血が流れ出しているそこに、口付け舌を這わせる。
 
 
 
 
「ふぁぁっ!ふぇ・・いと・・・ちゃ・・・・あぁっ!」
 
 
 
 
再び上がり始める嬌声に、溶かされそうになりながらも、
溢れ出た蜜を舐めとり、中へと舌を進めていく。
きつく締め付けてくる膣を、何度も舌先で擦り上げる。
その度になのはの嬌声が上がり、膣壁が収縮した。
けれど、溢れてくる蜜は止まる事を知らず、私は夢中でそれを舐めとり飲み下した。
 
 
 
 
「あっ・・・ひっ・・あぁぁ・・・・・」
 
 
 
 
なのはの中でも限界が近くなってきたのだろう。
際限なく上がる嬌声に合わせ、収縮する膣が私を奥へ奥へと導こうとする。
私はそれに逆らうことなく、届くだけ舌を伸ばし、奥の方を激しく愛撫する。
同時に、今まで触れていなかった陰核をそっと撫で上げた。
 
 
 
 
「んっ・・・やっ・・・ひぁぁぁっ!?」
 
 
 
 
大きく跳ね上がる腰に構わず、私はなのはをイカせようと、愛撫の手を緩めずに続ける。
 
 
 
 
「あぅっ・・・んんっ・・・もぅ・・・フェイトちゃ・・・お願っ・・・・」
 
 
 
 
ほとんど泣き声に近くなった、なのはの声に応じるために、
舌を中で往復させ、なのはの反応の大きかったところを強く擦る。
そして最後に撫で続けていた指先の真珠を、指の腹で一際強く押し込んだ。
 
 
 
 
「ふっあっ・・んっ・・・あっあっ、あぁぁぁぁっ!!?」
 
 
 
 
今までで一番高い声を上げ達したなのはの膣が、痛いくらいの強さで私の舌を締め付けてくる。
私の指で、舌でなのはが達してくれた。
なのはの絶頂を感じながら、言いようの無い幸福感が全身を包む。
やがて、絶頂の頂より解放されたなのはは、大きく肩を上下させ、荒い呼吸を整え始めた。
それを見届けた私は、ようやくなのはの身体から舌を抜き出した。
 
 
 
 
「なのは・・・・・」
「ん・・・はっ・・・・フェイトちゃん・・・・・」
 
 
 
 
苦しい息のもと、それでも笑って私の名前を呼んでくれるなのはが、本当に愛おしい。
なのはを抱き締め、頬を寄せると、堪らず涙が零れた。
出逢い、戦い、友達になって、そして恋をした。
 
 
この奇跡とも呼べる偶然を、誰に感謝すればいいのかも分からないまま想った、
 
 
この愛おしい魂に出逢わせてくれてありがとう、と・・・・・・・
 
 









 
 
差し込む光と鳥の声。
私が朝の気配に目を開くと、見慣れた天井が目に入る。
いつもと同じようでいて、違う朝。
その正体とも言うべき温もりを、左腕に感じ目を向けると、
そこには規則正しい呼吸をしながら、まだ夢の中にいる最愛の人の寝顔があった。
 
 
 
 
「夢じゃ・・・ないんだよね・・・・・?」
 
 
 
 
ともすれば夢ではなかったのかと、思ってしまいそうな昨夜の出来事を、
彼女の安らかな寝顔が、真実であった事を教えてくれる。
自然と口許がほころんでいく。
きっと今、どうしようもなく緩んだ顔をしているのだろうけど、そんな事も気にならない程嬉しかった。
 
 
 
 
「んぁ・・・・」
「なのは・・・・」
「んん・・・フェイトちゃん・・・・?」
「ん・・・・おはよう、なのは」
 
 
 
 
やがて、もぞもぞと起き始めたなのはは、私の顔をしばらくぼーっと眺める。
そしておはようと声をかけた次の瞬間、なのはの顔がみるみるうちに赤く染まった。
 
 
 
 
「う・・・あ・・・・・」
「えっと、なのは・・・・って、ちょっ、なんで逃げるの!?」
「ふぇぇぇ・・・・だ、だってぇ・・・・・・」
 
 
 
 
身をよじって私の腕の中から脱出を図るなのはを、私は必死に抱きとめる。
えっと・・・・何か、まずかったのかな・・・・・?
真っ赤な顔で、泣きそうになりながら抗議の声を上げるなのはを見ていると、
何かまずいことをしてしまったのではと、不安になってくる。
だけど、当のなのははというと・・・・・
 
 
 
 
「あの、なのは・・・・?」
「うぅ・・・・」
「その、私が何か悪い事しちゃった・・・・?」
「ちがっ・・・そうじゃなくて・・・・・」
「うん・・・・」
「その・・・・・何か・・・・は、恥ずかしくて・・・・・・」
「うん?」
 
 
 
 
それだけ言うと、なのはは毛布の中に潜ってしまった。
取り残された私は、ようやく言葉の意味を理解すると・・・・思わず笑いが込み上げてきてしまって・・・・・・
 
 
 
 
「ふっ、く・・・・ふふっ」
「うぁ・・・・わ、笑うことないじゃないフェイトちゃん!」
「ふっ、はは・・・だ、だって、なのは可愛いんだもん・・・・・」
 
 

 

 


 
肩を震わせて笑う私に、赤い顔のなのはが文句を言う。
ごめんねなのは、でも本当に君が可愛いんだよ。
すっかり拗ねてしまったなのはを抱き締め、ごめんねと囁く。
それでもなのはは、恨みがましい視線を向けていたが、
私がその唇を啄ばみ始めると、くすぐったそうに目を細めて同じように合わせてくれる。
そして想いをのせるように、私はなのはに口付けていく。
愛しい気持ちが届くように、優しく、何度も。
 
 
 
 
「ん、フェイトちゃん・・・・」
「何、なのは・・・・」
「聞かせて・・・・・」
「なのはは欲張りだね・・・」
「フェイトちゃんだって・・・・・」
 
 
 
 
求めに応じて、言葉にする。
好き、大好き、愛してる。口付けの合間に何度も囁く。
紡がれる想いも言葉も、全てを君に伝えるから。

 

そんな風にして、ちょっぴりくすぐったくて、暖かい朝が過ぎていく。
どこにも行かない、ずっとなのはのそばにいる。
何があっても、どんな時も、私はずっと君の傍に居続けるから・・・・・・・

 

  
 

...Fin
 


あとがき(言い訳)

締め切り破る1日前ー!(いやマジで(汗))
締め切りを1日勘違いしていたので、今必死にあとがきを書いてます(ひー)

えー、今回はお題『痛み』にちなみ、まぁ精神的なのと物理的なのと両方入れながら書いたわけですが・・・・
ぶっちゃけ、お題がおまけっぽくなっちゃうような甘ったるい終わり方となりました(苦笑)
いや、痛いまま終わるのは趣味じゃないので(^^;)
内容的には、設定が当サイトの短編から続いてるので、それっぽい話し方も交えつつ、
二人の初夜を描いちゃったりなんかして・・・・もう色々やっちゃった感が満載です(滝汗)
しかもなんかやたら長くなっちゃって、いつまで経っても終わらないんで、
このまま締め切りをぶっちしてしまうのでは、と本気で不安になりました。
っていうか、このあとがきを早めに締めないとマジでそうなるという修羅場っぷり(- -;)
途中で書くものを代えたり、夏コミとかぶったのはイタタでした(苦笑)

ええっと、まぁそんなわけで、必死に書きましたので、楽しんでいただけたのならよかったと思います。
そして、次は締め切りにはもう少し余裕をもってあたろうと思います(苦笑)
ではでは、よろしければ、また当サイトの次の作品でお会いしましょう!
それではまた〜、ごきげんよ〜(キ^^)ノ

2007/8/20著

追記

企画チャット内で、隅田さんが突発的に絵を描いてくださいましたので、
問答無用で強奪してまいりましたーーーー♪(激しくマテ)
なし崩し的に、了解が取れてるんだか、取れてないんだかよく分からない状況です(殴)
とりあえず、最終的に否定はされなかったんで、思いっきり載っけてみました(黒笑)
そんなわけで、皆様、隅田さんの絵に悶えといてくださいな〜♪

2007/8/26著


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