構って欲しい


 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「えーっと・・・これ、どういう状況?」
「私がなのはを押し倒してるところ」
「うん、だからなんでそうなるのか聞いてるんだけど」
「なのはが可愛いからだよ」
「答えになってない気がするんだけど・・・・」
 
 
 
 
そうかな?と首をひねると、なのはに結構深い溜め息をつかれた。
どこがまずいんだろう・・・・?
 
 
 
 
「フェイトちゃん、かなり強引」
「だって、やっとヴィヴィオが寝て、二人きりなんだし」
「そのヴィヴィオが起きちゃうよ?」
「大丈夫だよ、ぐっすり寝てるから」
「・・・・フェイトちゃん」
「だから・・・・あぶっ!?」
「ダメだってば、ヴィヴィオやっとお昼寝したところなんだから」
 
 
 
 
それは分かってるけど・・・・
 
 
 
 
「せっかく任務から帰ってきたのに・・・・・」
 
 
 
 
丸一月かかった長期任務。
任務によっては、もっと長いことも確かにあるけど、一度も家に帰れなかったのは初めてだ。
しかも、帰ってきたのは昨日の深夜で、なのはも寝ちゃってたし、さすがに自粛したけれど、
目の前になのはがいるこの状況、いい加減そろそろ我慢の限界だったりする。
 
 
 
 
「もう、だから夜まで待ってって、言ってるでしょう?」
「無理。今すぐなのはが欲しい」
 
 
 
 
言葉と共に再びなのはに覆いかぶさるが、またしても強烈なチョップをくらう。
 
 
 
 
「へぅっ!?」
「もうっ、いい加減にしないと怒るよフェイトちゃん!」
 
 
 
 
そう言ってなのはは眉をしかめる。
 
 
 
 
「うぅ・・・分かってるけど、なのはに触れていたい・・・・・」
「はぁ・・・・・」
 
 
 
 
情けない声を上げる私を見て、仕方ないな〜って感じになのはは笑うと、
自身の膝の上を、ポンポンと叩いた。
 
 
 
 
「・・・・・?」
「膝枕、それでよかったらして上げる」
 
 
 
 
そう言ってなのはは少しはにかみむように笑った。
 
 
 
 
「〜っ!?・・・じゃあお言葉に甘えて」
 
 
 
 
それはそれで生殺しでは、との考えもよぎったが、夜まで触れられないよりはずっといい。
なんて思いながら太腿にスリスリ・・・・はふぅ、柔らかい。
 
 
 
 
「ふふ、くすぐったいよフェイトちゃん。なんだか動物みたい」
「ん〜、そうかな?」
 
 
 
 
そう言ってる間もすり寄ることをやめない。
もう、なのはにくっついていられるなら、犬でも猫でも構わないし。
あ、でもそれだと色々できないか。
 
 
 
 
「・・・・フェイトちゃん、今何か変なこと考えなかった?」
「き、気のせいだよ・・・・」
 
 
 
 
うぅ、いけない、気が緩んで考えてることが、顔に出ちゃってるみたい。
あー、でも・・・・やっぱり落ち着く。
 
 
 
 
「やっぱりなのはの傍が一番良いよ・・・・・」
「それは、私もだよフェイトちゃん・・・・」
 
 
 
 
そう言って、なのはは優しく頭を撫でてくれる。
ゆったりとした、その手の動きにとてもホッとする。
任務中はどれだけ想っても、実際に触れることはできなかったから。
 
 
 
 
「なのは・・・・」
「大丈夫、ここにいるよ・・・・・」
「うん・・・・・」
「ふふ、眠そうだよフェイトちゃん。フェイトちゃんも、このまま少し寝る?」
「ん・・・・そうしようかな・・・・・・・」
 
 
 
 
長期任務で疲れきった心身は、なのはを求めるのと同じように、休息も求めていて。
 
 
 
 
「お疲れ様フェイトちゃん・・・・ゆっくり休んで・・・・・・」
 
 
 
 
愛しい人の温もりに包まれたまま、私は深い眠りの中へと落ちていった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
<おまけ>
 
 
 
 
「なのはママ・・・・」
「ん、ああ、ヴィヴィオ、お昼寝はもういいの?」
「んあ、もういい・・・・」
 
 
 
 
そう舌足らずな声で言い、目元を擦りながら起き上がるヴィヴィオ。
フェイトちゃんの頭を撫でている手とは反対の手を広げ、おいでと言うと嬉しそうに笑って私の腕の中に転がり込んだ。
 
 
 
 
「フェイトママもおねむなの〜?」
「ん、そうだよ、フェイトママお仕事大変だったからね」
「うん。でもフェイトママ、うれしそう」
「ふふ、そうだね、いい夢でも見てるのかな?」
「いいゆめ?ヴィヴィオとなのはママもいっしょ〜?」
「うん、きっと、三人一緒だよ・・・・・・」
 
 
 
 
夢も、現実も、これからの思い出の中さえも、
 
 
 
 
いつまでもずっと、三人一緒に・・・・・・・

 

  
 

...Fin


 


あとがき(言い訳)

現在進行形のアニメに胃が痛いキッドです、ごきげんよう。
反動でこんなStS後の、ほのぼの家族書いちゃいましたが、何か?(ぇ)
だってー、だってさー!なんかもうあちこちイタタタすぎじゃん!?
だったら自分で、幸せ分補完するっきゃねー!みたいな(笑)

そんなわけで上記のSS出来ちゃいました♪
つーかフェイトさん、すっかり飼いならされてます。ヴィヴィオは相変わらず可愛いです。
きっとアニメED後はこんな感じ。っていうかそうじゃなきゃ困る(泣)
お願いだから幸せになってくれー!(泣)な、願いをこめつつ、あとがき終わります。

んではまた次の作品で〜♪ごきげんよ〜(キ^^)ノ

2007/8/28著


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