Precious Memories
Act.2 1 傍にいるのが当たり前、が当たり前になったのは、いつからだっただろうか? 「・・・・静香?」 「ん?・・・・・なんでもないわ」 いつの間にか思考の波にさらわれて黙り込んでいたらしい。 目の前に心配そうな京の顔があった。 ・・・・・まったく心配性なんだから。 「なんで笑うかな・・・・・」 「ふふ、深い意味はないわよ」 出会った頃と変わらない彼女の姿に思わず笑みをもらすと、心配してるのに笑われた彼女はぷくっと、むくれてしまった。 今年で22のくせして、いつまでも仕草が子供っぽい。 「からかってるわけじゃないのよ。心配してくれてありがとう、京」 そう言って宥めるように軽く口付ける。 京は突然の私の行動に、きょとんとしたのも束の間、次の瞬間にはいつも顔で私を抱きよせる。 淡い笑みとやさしい瞳、私は京のこの表情を見るのが好きだ。 あの頃はずっと、この瞳を私に向けてほしいと思っていたのだから・・・・・・・
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