Precious Memories

Act1. 1



「うにゅ〜・・・お腹減ったよ〜・・・・」

「そう思うなら自分で何か作りなよ・・・・」

「やだ」
「やだって・・・・」

「私は涼ちゃんの手料理が食べたいの!!涼ちゃんの手料理が一番美味しいの!!」




・・・などと叫んでいるのは、私の同居人である立花亜希。
背はさほど高くはないが、童顔とはいえ整った顔立ちと、この立ち振る舞いで学内の人気を集めている。
・・・・これで20こえてるってほうが私には信じられないが。
ちなみに、亜希にとっては私が作ればカップメンでも美味いらしい。
ってか、手料理じゃないだろ、それ。




「涼ちゃんが作ってくれるものは、涼ちゃんの愛がこもってるからなんでも美味しいの♪」
「いや、こめてないからそんなもの」

「ぶー、愛が足りない〜」
「はなっから無いってば」



・・・とまぁ、常日頃からこんな会話をしていたりする。
いや、だからといって、別にそ〜いう関係とかではないのでお間違えなく。

じゃあどういう関係かって?

いや、まぁ、仲はいいですよ。
一緒に暮らしてもいますよ、ルームメイトですから。

・・・だけど最近、"ただのルームメイト"という枠をいろんな意味で超えてきた気がして・・・・・
これからどうしよう、と途方にくれていたりする・・・・はぁぁ。



「涼ちゃん涼ちゃん、ため息なんかついてると幸せが逃げちゃうよ?」
「などとため息の原因はのたまうのでした、合掌」



私は亜希にそういって手をあわせると、亜希はムッとした表情で反論してきた。



「違うもん、私は涼ちゃんの幸せの素だもん」



っていうか、ふつーそういうセリフは自分で言わんだろうに・・・・



「大丈夫だよ、私がずっと涼ちゃんの傍にいて、不幸なんて全部追い払ってあげるんだから♪」



亜希はそう言ってぺちょっと私にくっつくんだけど・・・・
いや、その、色々とね、柔らかいものがくっつくわけでー・・・・
理性がアレなわけでー、いやいや私はノーマルだぁー!!って声とか〜、
あぁでも柔らかくて気持ちいいな〜、とか、
その他もろもろがグルグルと回ってるわけでして、つまるところ・・・・・



私にどうしろっつうんじゃぁぁぁーー・・・・・・・!!



・・・なんてことをこの数ヶ月繰り返しているわけで、
いい加減、
魂がすり減ってきた気がしないでもない・・・・・



もっともこの悩みは、ちょっとしたサプライズがあって、思わぬ形で解決することになるんだけどね・・・・・





→TOP  →NEXT

inserted by FC2 system