なれないもの


 
 
 
 
 
 
ザー  ザー
外は大雨。
ニュースでは、台風がくると言っていた。

「フェイトちゃん。今日大丈夫?」
「うーん。どうだろ」
今日は、なのはの家に遊びに来ていた。
泊りではなく、遊びである。
台風が来るとニュースで知っていたので、はやめに切り上げようとしたけど、話し込んでしまった。

ピロロロ・・・ピロロロ・・・
どうしようかと考えている時に携帯がなった。

「はい。もしもし」
<あ、フェイト>
電話は、リンディ母さんからだった。
「はいなんですか?」
<今日は帰れなくなってしまったわ。ごめんなさい>
「いえ」
今日も一人かなーと思ったとき
<今日は、なのはさんの家に泊めてもらいなさい>
「え、でも、桃子さんたちには・・・・」
<桃子さんと士郎さんにはもう言ってあるわ。快く引き受けてくれたのよ>
なんとまあ、用意がいい母で。
「そうなんですか・・・・わかりました」
<じゃあ気をつけるのよ。フェイト>
「はい、母さん」

ピッ・・・ツーツー
携帯を閉じる。

「なのは、泊めさせてもらって良いかな?」
「大歓迎だよ!フェイトちゃん」
嬉しそうに言うなのはにわたしも笑顔になる。

そして私は、高町家に泊まることになった。
夕飯をご馳走になる。

「恭也、これぐらいでいいか」
「いやもう少し多くしよう」
「よく食うなお前」
「腹が減っては何も出来んといつも言ってる父さんよりはましかな」
恭也さんと士郎さんが量でもめていた。
微笑ましくて、みんなくすくす笑っている。

「フェイトちゃん。ちょっと醤油とってくれるかい?」
「あ、どうぞ」
「ありがとう」
「フェイトちゃん。なのはの学校の様子どうかしら?自分ではいってくれないのよ」
「わっ、そんなこといわなくていいんだよー。フェイトちゃんいっちゃだめだよ!」
「どうしようかなー」
「フェイトちゃああん」
色々と質問されるけど、わたしは嬉しかった。
なのはがかわいそうだったけど。
美由紀さんが地雷を落とさなければ・・・

「フェイトちゃん、好きな人とかいる?」
「ぶっ・・・・」
食べ物を吹きそうになってしまった・・・美由紀さん唐突すぎる・・・
好きな人、つまりなのはのことなわけで。
「いや・・・・あの・・・その・・・・」
顔が熱い。
多分真っ赤だろう。
「フェイトちゃんかわいー。初々しいねぇ・・・ってなんでなのはまで顔赤いのよ」
「ふぇぇぇ。いやなんでもないよ。にゃはは」
なのはにはわたしのことがわかったらしい。
さらに恥ずかしくなり、頭から湯気が出てきそうだった。
「あらあら、かわいらしいわねー♪」
桃子さんが一番楽しそうだった。
恭也さんと士郎さんは飯をとられまいかと格闘していた・・・・箸で・・・

わたしは、なのは家の食卓が大好きになった・・・・美由紀さんがたまに地雷落とすけど・・・

食事も終わり、風呂にも入らせてもらい、なのはの部屋にいる。
部屋では、なのはと雑談している。
外では、雨と風がひどく、怖かった。

ピカッ

「きゃっ」
反動で、なのはに抱きついてしまった。
体は震えていて思うように動かない。
「フェイトちゃん。ひょっとして、雷怖い?」
なのはが心底驚いた風にいう。
そう。実は、わたしは雷が苦手だった。
自分で、作るものは、いいのだがどうも自然現象となると怖くなってしまう。
「うん・・・・自分でやるのはいいんだけど・・・・どうしても慣れなくて・・・・」
「これは慣れとかじゃないと思うけど・・・」
涙目なわたしと困った顔をするなのは。

ピカッ

「!!」
わたしはもうなのはにしがみついていた。
なのははやさしく抱き返してくれる。
「なのは・・・・」
「フェイトちゃん。大丈夫・・・わたしがいるから・・・」
「ありがとう・・・・なのは・・・」
なのはのやさしさにちょっぴり涙もろくなった。

「そうだ!フェイトちゃん。今日は一緒のベッドで寝ようね!」
「ええええええ。悪いよ・・・・」
「わたしがしたいからいいの!・・・・ね?」
「はい・・・・」
なのはには一生勝てないだろう。

「フェイトちゃん。狭くない?」
「大丈夫だよ。なのは」
いまはベッドで二人で寝る体制になっている。

ピカッ

「ぅぅぅ・・・・」
どうしても体が震えてしまう。
「フェイトちゃん・・・大丈夫・・・大丈夫・・・」
なのはがやさしく抱きしめてくれる。
「なのは・・・このまま寝ていいかな?・・・・」
「うん。いいよ!」
このままつまりなのはに抱きしめられながら眠るということ。

これでもう怖くない。
なのはの甘い匂いがする。
眠気が急に襲ってきた。

「おやすみ。なのは」
「おやすみ。フェイトちゃん」
2人は同時に目を閉じ、少したつと、二つの寝息が聞こえてきた。

 
 
 
 


...Fin


 


リリカルだるい日記のsirosumi様より、10万HITのお祝いとしていただきましたー♪
雷怖がるフェイトちゃんが可愛いです!なのはさんは男前(笑)
そのままフェイトちゃんを守ってあげてくださいねーーー(キ>▽<)ノ
sirosumi様、素敵ななのフェイSSを、ありがとうございました!!

管理人:2007/9/8著


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