〜死神に抱かれて悦楽の夢を〜

 
 
 
 
 
 
 
 
 
「はぁ…ん…くぅ…」

管理局の非常用地下通路。
本来なら誰も寄り付かないような場所で濡れた声が切なげに響いている。

「もっと声、出してよ…なのは」
「…んっ…いや…も、やめ、て…」

彼女にうしろから抱きしめられ全身を愛撫される。
時に激しく、時にゆるやかに与えられる刺激に身体が震える。
壁に手をついて押し寄せる快楽の波に耐える私の姿に興奮しているのか、全身を這いまわる彼女の手が徐々に激しいものに変化していく。

「…ふ…ひゃんっ…はぁっ、ダメッ…フェイト、ちゃん!」
「ダメじゃないよ、なのは…こんなに濡れてるのに…」
「や、だぁ!…やめてっ…フェ、ひゃあぁあぁ?!」

揉んでいるだけだった胸の先端を強く捩られて私は軽く達してしまった。
びくびくと小刻みに震える身体。腕も足も震えてまともに立っていられない。
私は壁にもたれかかるような姿勢になり、力の抜けた私の身体をうしろの彼女が支える。
余韻に浸る私に、うしろにいる元凶である彼女は楽しそうに言った。

「…イッちゃったんだ、なのは」
「…はぁ、ふぅ…はぁ…はぁ…」

声が漏れないように呼吸をするのが精一杯で、彼女の言葉を否定することもできない。
そして耳元でクスクスと笑う彼女の吐息にさえも私の身体は敏感に反応してしまう。
快楽の余韻で震える身体を抑えながら思う。
どうしてこんなことになったのだろう…。
それは、きっかけすら思い出せないほど突然で唐突だった。
 
 

 
 
あれはいつのことだったか、私は久しぶりのオフでフェイトちゃんもその時オフだったから彼女の家に遊びに行ったのだ。
リンディさんやクロノくんから「なにかあった時のため」ということで合鍵をもらっていたからそれを使って部屋に入った。最初の頃は気が引けたけど何年も経つといちいちお伺いを立てるのはお互いに面倒になってきたから勝手に入る事にしたのだ。
その時もいつもの調子でハラオウン邸に入り、フェイトちゃんの部屋をノックした。
…さすがに個人のプライベートルームは勝手に入っちゃいけないからね。
けれど返事がない。メールも念話もなしに突然来たけど、もしかしたらいないのかと思いもう一度ノックをした。

「………はい」

すると、小さく返事をする声が聞こえた。
なんだかひどく落ち込んでいるような声に私は急いで扉を開けて入った。
そこにはベッドにうつ伏せに横になっているフェイトちゃんがいて、私が声をかけると慌てて身体を起こした。

「フェイトちゃん?」
「!!な、なのは?!」

ひどく驚いた様子でこちらを見たフェイトちゃんの瞳は濡れていた。
私は静かにフェイトちゃんに近づいて頬をそっと撫でる。頬も涙で濡れて冷たくなっていた。
それに気付いたフェイトちゃんが顔をそらして私の手から逃げる。
私は手を戻して、聞いた。

「…何かあったの?」
「別に…何もないよ…」

予想通りの返答をする彼女の顔を無理やりこちらに向ける。

「フェイトちゃん」

そして、その綺麗な紅い瞳を真っ直ぐ見つめて名前を呼ぶ。

「………」

それでも彼女は黙ったまま何も言おうとしない。
それは彼女と友達になってから初めての反応で、どうしたらいいかわからないまま言葉を紡いだ。
 
 
 
―――あとから振り返ってみればかなり無神経な行動だったかもしれない
 
 
 
―――きっとこの時の私の言葉が彼女が今まで耐えてきたものを、その努力を壊してしまったのだと思う
 
 
 
「話して、くれないかな?フェイトちゃん…私でよければ、だけど…」
「………」
「力になれる範囲でだけど、なんでもするよ?」

私のその言葉に彼女の肩がピクリと震えた気がした。

「………本当?」

しばらくの沈黙の後、ようやくそれだけを呟くように言った。
私はその言葉がどういう意味で紡がれたのかを考えることなく当然のように頷いた。

「もちろんだよ!フェイトちゃんは大切な人だもん!」
 
 
 
―――今考えれば、なんて残酷な言葉だっただろう
 
 
 
「じゃあ…」
「きゃっ!!」

私は彼女に腕を引かれベッドに倒れ込んだ。
すぐに彼女が私の上に乗り押し倒されたような形になる。

「フェイトちゃん?!」
「私のものになってよ…なのは…」
「フェイトちゃっ…んんっ!」

何かを言う暇も与えられず彼女に唇を塞がれて蹂躙された。
初めて味わう快楽の中、彼女が自分を呼ぶ声と愛を囁く声しか聞こえなかった。
 
 
 
―――今更後悔しても仕方のない、7年も前の出来事
 
 
 

「なのは」

彼女の声にハッとなる。
ずいぶんと過去のことに気を取られていたようだ。
彼女は未だ息の荒い私をふわりと抱きよせて囁く。

「なのは…好きだよ。本当に、愛してる」
「………」

彼女の言葉に私は何も答えない。答えられない。
私は彼女に対してそんな感情を抱いていないからだ。
私が彼女に感じるのはそんな甘いものではなくて、ただの恐怖。

「ひゃんっ!ふぇ、フェイトちゃんっ!」
「もう一回、いいよね?なのは…」

再び彼女の手が私の身体を這いまわる。
何度も絶頂を迎えて敏感になっている身体は容易くそれを受け入れた。
撫でられるだけでびくんびくんと跳ね上がる身体。

「はうっ…んぅっ…やっ、ダメ!…あっ!ぁんっ!」
「ふふっ、可愛いよ。なのは」
「やぁっ…ふぁっ、くぅ…んあっ!…ふぁああぁ!!」

指を一気に中に突きこまれて達してしまった。
だというのに彼女は私を突き上げ続ける。
立て続けに与えられる刺激に目が眩むほどの快感を覚えた。
 
 
 
―――私が恐れているのは彼女自身のことではなくて、この行為
 
 
 
―――彼女に犯されるたびにこの快楽の虜になっていく自分自身
 
 
 
「…はぁっ!や、らぁっ…またっ!くるぅっ!きちゃうよぉっ!!」

もう、受け入れろと言っている自分がいる。
彼女を受け入れて、快楽に身を委ねれば楽になれると囁く。

「はぁんっ!そこぉっ…いいっ!…ふぇいとっ、ちゃあん!」

それに解放されたとしても彼女でなければ自分を満足させることなど出来ない、と頭の片隅でわずかに思っていた。
…だから7年もこの状況を許していたのだろうか?

「ひゃっ…いいよぉっ!…もっとしてぇ!…あんっ!もっとっ!そこっ!擦ってぇ!!」

わからない。もう何も考えられない。
ただ一つ言えることは、何もかもが遅いということ。
彼女から逃れるにはすべてが遅すぎた。
 
 
 
だって私は…
 
 
 
もう、彼女に堕ちてしまっているから――――

 
 
 
 

...Fin

 
 


10万HIT記念にモーソー秘密基地の星藍さんから頂きました〜♪
チャットで話題に上がってたあのSS(笑)
貰ってからしばらくは独り占めしてたんだけどね!(爆)
いや、相変わらず素晴らしいエロスで・・・げぶげふ。
星藍さんありがとうございましたー♪

管理人:2007/9/26著


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